2013 Fiscal Year Annual Research Report
新規IL-5Rα鎖の生物活性と好酸球分化機構における役割の解明
Project/Area Number |
23791098
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
石原 研治 茨城大学, 教育学部, 准教授 (00312596)
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Keywords | 好酸球 / 分化 / IL-5 |
Research Abstract |
好酸球は気管支喘息などのアレルギー疾患の病態の進行に深く関与するエフェクター細胞である。IL-3 IL-5 および GM-CSF は成熟した後の好酸球の生存を誘導するサイトカインであるが,骨髄の造血幹細胞から好酸球への分化・成熟にも関与するサイトカインである。特に,IL-5 は好酸球の分化には必須のサイトカインであり,これまで IL-5 のターゲットとして IL-5Rα (variant 4) 鎖が同定され、IL-5 の作用はすべてこの既知 IL-5Rα 鎖 (variant 4) を介して発揮されるものと考えられていた。しかし、IL-5 が好酸球に対し分化誘導作用を発揮する分子メカニズムに関しては既知 IL-5Rα (variant 4) 鎖では説明できない点があり、IL-5 の作用の特異性がなぜ誘導されるのか不明であった。本研究では,その特異性を受容体という側面から探索した結果、ヒト IL-5 レセプター (IL-5R) α 鎖の 2 つの新規 splicing variantsを同定し、variant 7 (AB288089) および variant 8 (AB288090) と命名して遺伝子データベースに登録した。解析を進めると、IL-5Rα variant 7 & variant 8 は分化した好酸球でなく造血幹細胞に特異的に発現し、この結果から IL-5 による造血幹細胞から好酸球への分化過程において variant 7 & variant 8 が何らかの役割を持つことが考えられた。そして、本研究ではその詳細を明らかにするために、既知の IL-5Rα (variant 4)、 variant 7 および variant 8 を細胞に発現させる系を構築することができた。
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