2012 Fiscal Year Annual Research Report
膠原病におけるtoll-like receptorシグナル抑制分子群の寄与の解明
Project/Area Number |
23791101
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
川崎 綾 筑波大学, 医学医療系, 研究員 (30532816)
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Keywords | 全身性エリテマトーデス / 疾患感受性遺伝子 / SNP / IRF4 / PRDM1 |
Research Abstract |
自然免疫系が膠原病の病態においても重要な役割を果たすことが示唆されている。本研究では、TLRシグナル抑制遺伝子および関連遺伝子の膠原病の疾患感受性への寄与を検討した。平成24年度は、IRF4およびIRF4の機能に関連する遺伝子を対象とした疾患関連研究を行った。 IRF4は、TLRシグナルのアダプター分子であるMyD88とIRF5の結合に拮抗し、TLRシグナルを阻害する。IRF5は、全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ、全身性強皮症に共通の感受性遺伝子であり、I型インターフェロンや炎症性サイトカインの産生に関わる。SLE 102例、対照健常群 102例を用いた先行研究により、IRF4遺伝子のイントロンに位置する3つの SNPとSLEの関連を示唆する知見を得た。先行研究で検出された関連の確認を行うために、3つのイントロン SNPについて、SLE 289例、健常群 475例を対象とした疾患関連研究を施行したが、統計学的に有意な関連は検出されなかった。 近年、ゲノムワイド関連研究(GWAS)により、隣接するPRDM1、ATG5遺伝子領域とSLEの関連が報告された。IRF4は、PRDM1の形質細胞分化誘導にも関わることが報告されている。PRDM1-ATG5遺伝子領域のSLEへの関連を検討するために、PRDM1、ATG5遺伝子領域をカバーするタグSNPについて、SLE 502例、対照健常群 451例を対象とした関連解析を施行した。SLE全群との比較では強い関連は認められなかったが、腎症合併SLE群と比較したときに、GWASにおいて関連の報告されているPRDM1下流のrs548234と有意な関連が検出され、PRDM1がSLE腎症発症に寄与する可能性が示唆された。
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