2012 Fiscal Year Annual Research Report
JAK阻害薬による新規制御性T細胞誘導機構の解明及び炎症性疾患治療への応用
Project/Area Number |
23791105
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡本 明子 東京大学, 保健・健康推進本部, 助教 (40431861)
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Keywords | JAK阻害薬 / 制御性T細胞 / 自己免疫疾患 |
Research Abstract |
研究協力を得ている東京大学医学部附属病院アレルギーリウマチ内科第18研究室では、平成21年に自己抗体産生を抑制するCD4+CD25-LAG3+制御性T細胞(以下LAG3+Treg)を同定した。平成23年度の研究で、SLEモデルマウスのNZB/W F1マウス(以下BWF1マウス)、コントロールのB6マウスの脾臓細胞を解析したところ、B6マウスと比較して、BWF1マウスでは脾臓CD4+T細胞内でのLAG3+Tregの割合が減少していた。B6マウスとBWF1マウスのLAG3+TregのEgr-2, LAG-3, IL-10のmRNA発現パターンには差異を認めず、LAG3+Tregの減少がループス発症に寄与する可能性が示唆された。JAK阻害薬Tofacitinib添加下でB6もしくはBWF1マウスのナイーブCD4+T細胞を培養すると、Egr-2, PD-L1を発現し、LAG3+Treg様の表現型を示した。BWF1マウスのLAG3+Treg様細胞を腎炎発症前の同系マウスに養子移入すると自己抗体産生・腎炎発症が抑制された(平成24年日本リウマチ学会で口頭発表)。平成24年度は、コラーゲン誘導性関節炎を発症するDBA1Jマウスでも脾臓CD4+T細胞内でのLAG3+Tregの割合が減少していることを見出した。Tofacitinibによって誘導されたDBA1JマウスのLAG3+Treg様細胞をII型コラーゲンで免疫した同系マウスに移入したところ、関節炎の進展と重症化が抑制された。今後LAG3+Treg様細胞と関節リウマチにおけるtofacitinibの有効性との関連を検討する。生体内でLAG3+TregもしくはLAG3+Treg様細胞を増やすことは、関節リウマチ・SLEなどの自己免疫疾患の治療につながる可能性がある。
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Research Products
(6 results)