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2012 Fiscal Year Research-status Report

全身性エリテマトーデスにおける自己抗原TRIM21の治療標的としての可能性の検討

Research Project

Project/Area Number 23791118
Research InstitutionYokohama City University

Principal Investigator

吉見 竜介  横浜市立大学, 医学部, 助教 (70585265)

Keywords免疫学 / 内科学 / 膠原病学
Research Abstract

<線維芽細胞の炎症性サイトカイン産生能におけるTRIM21の役割> マウスEGFP-TRIM21融合蛋白をNIH3T3細胞株に高発現させると,EGFP-TRIM21の発現量依存的に内在性TRAF6の発現量が低下した.免疫沈降法ではV5-p62の量依存的にEGFP-TRIM21とTRAF6の共沈を認めた.TRIM21がp62の存在下でTRAF6をユビキチン化することを明らかにした.
<樹状細胞や線維芽細胞のI型インターフェロン(IFN)産生能におけるTRIM21の役割> 高発現系免疫沈降法によりTRIM21とIRF5の相互作用を調べているが,両者の共沈は今のところ認められない.
<SLE・SSの病態でのTRIM21の役割> SLE・SS患者,および健常者からPBMCを採取してqPCR法を行った結果,SLE群およびSS群では健常者群と比較してTRIM21 の発現が有意に高かった.SLE群でIRF7,SS群でIRF3,IRF5,IRF7の発現量が健常者群と比べて有意に高かった.I型IFN誘導遺伝子であるMxAの発現量もSLE群およびSS群では健常者群と比較して有意に高かった.I型IFNの発現量はむしろSLE群およびSS群で有意に低かった.健常者ではTRIM21のmRNA発現とI型IFNのmRNAの発現量は逆相関していた.
<TRIM68の機能解析> TRIM68 cDNAを用いてEGFP-TRIM68融合蛋白発現ベクターを作製し,Flag-IRF融合蛋白発現ベクターとともにHEK293細胞株に高発現して免疫沈降法を行った結果,IRF3およびIRF8とTRIM68の相互作用が示唆された.EGFP-TRIM68を高発現したNIH3T3細胞ではコントロールと比較してpolyI:C刺激によるIFN-βの誘導が抑制された.TRIM68がIRF3およびIRF8をユビキチン化することを明らかにした.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

以下の点に示すようにポジティブな結果とネガティブな結果が存在はするが,おおむね研究課題は順調に進展している.
<線維芽細胞の炎症性サイトカイン産生能におけるTRIM21の役割> TRIM21がNF-κBシグナリングを抑制的に制御するメカニズムとしてTRAF6がTRIM21によってユビキチン化されることが原因である可能性を示すデータが得られた.
<樹状細胞や線維芽細胞のI型インターフェロン(IFN)産生能におけるTRIM21の役割> SLE・SS患者のPBMCにおいてSLE群およびSS群では健常者群と比較してTRIM21や各種IRF,I型IFN誘導遺伝子の誘導が亢進していた.健常者ではTRIM21とI型IFNのmRNA発現が逆相関しており,TRIM21によるI型IFN誘導の制御が示唆された.一方,I型IFN高発現系免疫沈降法によりTRIM21とIRF5の相互作用を調べているが,両者の共沈は今のところ認められない.引き続き実験条件等を検討する必要がある.
<TRIM68の機能解析> TRIM21と非常に構造の類似した蛋白であるTRIM68がTRIM21と同様にIFN-βの産生を抑制する作用があることが明らかになり,複数のTRIMファミリー蛋白が協調して生体反応に関与していることが示唆される.TRIM68もTRIM21と同様IRF3やIRF8をユビキチン化することが明らかになった.

Strategy for Future Research Activity

<線維芽細胞の炎症性サイトカイン産生能におけるTRIM21の役割> TRIM21ノックアウトマウス由来の細胞を用いてTRAF6がTRIM21の基質であるかどうか確かめる.
<樹状細胞や線維芽細胞のI型インターフェロン(IFN)産生能におけるTRIM21の役割> TRIM21とIRF5の相互作用について引き続き条件を変えて検討する.
<SLE・SSの病態でのTRIM21の役割> SLE群・SS群での蛋白レベルでのIRFファミリーの発現量を調べ,IRF群がTRIM21の基質であることを確認する.また,SLE病態とIRF群のユビキチン化との関連を調べる.引き続きTrim21-/-マウスの遺伝子背景のB6からMRL/lprへの置換を進め,MRL/lprモデルマウスのフェノタイプへのTRIM21の関与を解析する.
<TRIM68の機能解析> 内在性の免疫沈降法や蛋白生成による直接結合の確認を行う.マクロファージ細胞株で同様の実験を行い,IL-12p40の産生に対してTRIM68が与える影響を調べる.
<アポトーシス細胞のクリアランス能におけるTRIM21の役割> NIH3T3細胞にEGFP-TRIM21融合蛋白を高発現し,UVB照射によって引き起こされるアポトーシスによる細胞形態の変化とEGFP-TRIM21融合蛋白の局在を蛍光顕微鏡で観察する.同細胞をマウスIgGとともにインキュベートし,蛍光色素結合二次抗体を用いてフローサイトメトリーにより細胞表面に結合するIgGの量を定量し,EGFP-TRIM21の発現量との相関を調べる.TRIM21の発現量とマクロファージの貪食能の関連を調べるために,TRIM21を高発現したRAW264.7細胞をIgG結合蛍光ビーズとともにインキュベートし,細胞に取り込まれたビーズの蛍光を定量する.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

実験機器,実験施設などのハード的な面は整っており,本年度の経費のほとんどは培養試薬,遺伝子工学試薬,抗体および消耗品を計上する予定である.実験の一部は長期培養した細胞株を用いることもあり,また実験系にも短期的培養を行うので,培養試薬は必須である.また,各種発現プラスミド,ルシフェラーゼアッセイに用いるプラスミドの構築,定量RT-PCRなど遺伝子工学試薬はもっとも繁用するので,一番多く計上している.抗体はウェスタンブロット法,免疫細胞・組織染色,フローサイトメトリー等で必要となる.これらの実験に用いる消耗品のプラスチック用品は大量に必要である.

  • Research Products

    (4 results)

All 2013 2012

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Autoantigen TRIM21/Ro52 as a Possible Target for Treatment of Systemic Lupus Erythematosus.2012

    • Author(s)
      Ryusuke Yoshimi, Yoshiaki Ishigatsubo, and Keiko Ozato
    • Journal Title

      International Journal of Rheumatology

      Volume: 2012 Pages: 718237

    • DOI

      10.1155/2012/718237

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Clinical and pathological roles of Ro/SSA autoantibody system.2012

    • Author(s)
      Ryusuke Yoshimi, Atsuhisa Ueda, Keiko Ozato, and Yoshiaki Ishigatsubo
    • Journal Title

      Clinical and Developmental Immunology

      Volume: 2012 Pages: 606195

    • DOI

      10.1155/2012/606195

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] The E3 ubiquitin ligase TRIM21 forms a complex with p62 and TRAF6 and promotes degradation of TRAF6.2013

    • Author(s)
      Ryusuke Yoshimi, Reikou Watanabe, Toshinori Tsukahara, Maasa Hama, Atsushi Ihata, Atsuhisa Ueda, Mitsuhiro Takeno, Herbert C. Morse III, Keiko Ozato, Yoshiaki Ishigatsubo
    • Organizer
      The American Association of Immunologists 100th Annual Meeting
    • Place of Presentation
      Hawaii Convention Center (Honolulu, Hawaii, USA)
    • Year and Date
      20130503-20130507
  • [Presentation] 全身性エリテマトーデスではI型インターフェロンの発現制御機構が破綻している.2013

    • Author(s)
      渡邉玲光, 吉見竜介, 岳野光洋, 浜真麻, 岸本大河, 上原武晃, 浅見由希子, 井畑淳, 上田敦久, 石ヶ坪良明
    • Organizer
      第57回日本リウマチ学会総会・学術集会
    • Place of Presentation
      京都国際会館(京都府)
    • Year and Date
      20130418-20130420

URL: 

Published: 2014-07-24  

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