2013 Fiscal Year Annual Research Report
関節リウマチにおける関節破壊予測因子の同定とテーラーメイド治療の実現
Project/Area Number |
23791120
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
金子 祐子 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (60317112)
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Keywords | 関節リウマチ / 関節破壊 / 薬剤効果予測 |
Research Abstract |
新規関節リウマチ患者(RA)において、治療前の治療反応性予測因子を同定,その因子により患者を分類し,患者毎のテーラーメード治療を可能とすることを目標とした。RA治療においてアンカードラッグであるメソトレキセート(MTX)について,使用によっても血漿TNFαは不変であるが、IL-6が有意に低下すること、また投与後52週時の血漿IL-6濃度が関節破壊進行と有意に関連し、IL-6抑制の程度によりMTXによる関節破壊抑止を予測できる可能性を明らかにした。また、遺伝子解析でFCRL3 promotor 領域に存在する rs7528684(169A/G)のmajor allelleが、生物学的製剤であるTNF阻害薬の治療反応性と関連することを報告した。また、未治療RAの単球分画において、末梢血CD14+CD16+、CD14+CCR2+単球比率の増加、CD14+CXCR4+単球比率の減少がみられること、CD14+CD16+単球比率は診断時のMRI上の骨髄浮腫・びらん、12ヶ月間の関節破壊進行(ΔTSS<=0.5)、関節破壊急速進行(RPP<=5)、関節裂隙狭小化進行(ΔJSN<=0.5)と関連することを明らかとし、末梢血単球亜分画が関節破壊進行の予測バイオマーカーとなる可能性を示した。以上から、複数の因子を組み合わせることで、関節破壊急速進行例の抽出と薬剤効果予測についての可能性を示唆した。
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