2011 Fiscal Year Research-status Report
膠原病の活動性間質性肺炎へのウリナスタチン大量間歇投与の効果解析と治療法の構築
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23791127
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
辻村 静代 産業医科大学, 医学部, 非常勤助教 (70553824)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 間質性肺炎 / 膠原病 / 治療抵抗性 / ウリナスタチン / 安全性 |
Research Abstract |
本研究で取り組む次の4つの項目、(1)ウリナスタチン大量間歇投与の臨床効果解析;効果、安全性、疾患別効果 (2)ウリナスタチン大量間歇投与時の肺循環血中濃度解析 (3)ウリナスタチン大量間歇投与による炎症・繊維化メディエーターへの効果 (4)ウリナスタチン大量間歇投与の経済効果、のうち、平成23年度は、(1)ウリナスタチン大量間歇投与の臨床効果解析;効果、安全性、疾患別効果について重点的に取り組んだ。ウリナスタチン大量間歇投与療法に対して本学倫理委員会の承認を得た。確定診断のついた膠原病による間質性肺炎を認め、低酸素血症、KL-6上昇、画像所見の増悪いずれかを伴う活動性間質性肺炎を認め、治療合併症のため、免疫抑制療法が継続困難である、もしくは2剤以上の免疫抑制剤投与に治療抵抗性である症例に、インフォームドコンセントを取得してウリナスタチン大量間歇投与を導入。2012年1月までに20例に導入し、臨床効果解析を行った。CT画像所見は20例中14例で増悪抑制~改善、KL-6は20例中18例で改善傾向を示した。ウリナスタチンに起因する有害事象は認めなかった。急速進行性のAIPパターンを呈する皮膚筋炎には臨床効果は確認できなかった。20症例中10症例がprimary endpoint(3回投与終了後1ヶ月での評価)に到達し、JMP9.0.2を用いた分散分析を施行、CTスコアで評価したCT画像所見、KL-6の有意な改善を得、ステロイドは減量でき、強化免疫抑制療法併用例2例で感染症を認めたが重篤ではなかった。重要臓器障害は認めなかった。以上の研究結果は平成24年4月開催の日本リウマチ学会学術集会にて口演発表が決まっており、さらに症例数を増やして解析を行い、平成25年4月の日本内科学会講演会で発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は、ウリナスタチン大量間歇投与の臨床効果解析;効果、安全性、疾患別効果について重点的に取り組む予定とし、選択基準に基づいて20例にウリナスタチン大量間歇投与を導入でき、うち、半数の10例に関しては統計解析可能なまでにフォロー終了した。長期反復投与終了例も漸次得られており、安全性も確認できてきている。得られた結果を集計、統計解析し、平成23年9月開催の日本臨床免疫学会学術集会で報告し、さらに詳細な解析を追加して、平成24年4月開催の日本リウマチ学会学術集会にて口演発表が決まっている。平成24年度の研究事項へ向けて、ウリナスタチン投与に伴い、対象者の血液検体採集も進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で取り組む次の4つの項目、(1)ウリナスタチン大量間歇投与の臨床効果解析;効果、安全性、疾患別効果 (2)ウリナスタチン大量間歇投与時の肺循環血中濃度解析 (3)ウリナスタチン大量間歇投与による炎症・繊維化メディエーターへの効果 (4)ウリナスタチン大量間歇投与の経済効果、について、(1)については、新規導入症例は適宜解析対象に追加しながら、論文作成を進める。(2)については、得られた血液サンプルから外注検査でウリナスタチン濃度を測定し、血中濃度の有効域への到達・安定性について検証する。(3)については得られた血液サンプルから炎症・繊維化メディエーター外注検査や研究室で測定し、経時推移を解析する。(4)については、投与6回分の入院費用も含めた費用の算出、入院のべ日数の検討などを行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費は、血液サンプルの採取、保管管理、ウリナスタチン血中濃度の外注測定、炎症・繊維化メディエーター外注測定、試薬・器具・解析ソフト等の購入、論文作成・投稿に関わる諸経費に使用する。
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Research Products
(1 results)