2012 Fiscal Year Annual Research Report
膠原病の活動性間質性肺炎へのウリナスタチン大量間歇投与の効果解析と治療法の構築
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23791127
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
辻村 静代 産業医科大学, 医学部, 非常勤助教 (70553824)
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Keywords | 活動性間質性肺炎 / 膠原病 / ウリナスタチン / 難治性 / 臨床研究 / 安全性 |
Research Abstract |
生体由来human trypsin inhibitor製剤ウリナスタチン(MIRACLID®)は細胞毒性がなく、抗炎症・臓器保護作用を有する。膠原病による活動性間質性肺炎 (IP)を認め、既存治療抵抗性または継続困難で、インフォームドコンセントを取得できた膠原病患者にウリナスタチン大量間歇投与療法(UT pulse)を導入し、臨床的効果と安全性を解析した。 UT pulseはウリナスタチン(UT )30万U/回を5 hr毎3回、計 90万U/日を中心静脈カテーテルより緩徐に静注し、一か月間隔で反復投与した。Primary endpointをUT pulse 3回施行後1ヵ月とし、主要項目としてCTスコア、副次項目として KL-6、ステロイド薬(CS)投与量,、有害事象を評価した。 20症例にUT pulseを導入し、CTスコアは20例中14例で増悪抑制~改善、KL-6は20例中18例で改善傾向を示した。しかし、急速進行性のAIPを呈する皮膚筋炎2症例では臨床効果は確認できなかった。 20症例中10症例がprimary endpointに到達し、Tukey-Kramer’s HSDによる多重比較検定解析の結果、CTスコアは1.80→1.57(p<0.05)と有意な改善を認め、KL-6は1993.5→1002.2 (U/ml)(p<0.01)と有意に低下し、ステロイドは29.9→14.4(mg/day)(p<0.05)と減量可能であった。観察期間中の有害事象は、強化免疫抑制療法併用例2例で感染症を認めたが重篤ではなく、重要臓器障害は認めなかった。 UT pulseは臓器障害、骨髄抑制や感染症誘発等のリスクが少なく、多様な合併症を有する難治性症例にも安全に継続できる実用的治療である。
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Research Products
(1 results)