2011 Fiscal Year Research-status Report
レプトスピラ症の血清学的診断法の開発と疫学動態の解析
Project/Area Number |
23791130
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
五十棲 理恵 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30550355)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | レプトスピラ症 / ELISA法 / 早期診断 |
Research Abstract |
レプトスピラ症は有効な治療薬があるにも関わらず、診断の遅れから多くの人々がアジアを中心とした熱帯の途上国で亡くなっている。こうした問題を解決するために以下3項目を具体的な目的としこの計画を進めている。1) 高感度で迅速かつ安価なレプトスピラ症の診断法の確立をする。2) 1)の診断法と臨床病型との関係を評価する。3) アジアでのレプトスピラ症の疫学動態を把握し感染制御に必要な情報を世界に発信する。 1,2)に関しては組み換え抗原を用いたELISA法の開発を進行中である。LipL32、LigAの異なる3か所の組み換え抗原が現段階で作成できており、その抗体上昇のパターンをラット及びハムスターを用い検証をしている。また、同時にラット、ハムスターの臨床病型との関係を評価している。これらの新しいELISA法でレプトスピラ感染早期に高感度に診断できるようになれば、早期治療開始が可能でありレプトスピラ症による死亡率を大幅に減らせるようになることが期待される。3) に関してはアジア諸国(スリランカ・タイ・ベトナム)で過去に集められた熱性疾患患者血清を対象に1)で開発したELISA法での抗体価を測定中である。また、これらの検体の一部ではMATやPCR法でのレプトスピラ症の評価がすでに行われている。1),2)で各組み換え抗原に対する抗体価の上昇の意義や上昇パターン、期間などが明らかになればアジア諸国でのレプトスピラの流行実態を明らかにしていくことにつながり、最終的には有効な感染制御に結び付く重要な情報が得られるものと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的として以下3項目がある。1) 高感度で迅速かつ安価なレプトスピラ症の診断法の確立をする。2) 1)の診断法と臨床病型との関係を評価する。3) アジアでのレプトスピラ症の疫学動態を把握し感染制御に必要な情報を世界に発信する。 1)に関して、LipL32及びLigAの異なる3か所の配列を基にした組み換え抗原の作成に成功している。今後さらに他のレプトスピラ表面抗原を対象とした組み換え抗原の作成を試みる予定である。2)に関して、動物モデルでの各抗体の臨床的意義を評価中である。3)に関して、現在保存中の血清での各抗体価のseroprevalenceを評価中である。
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Strategy for Future Research Activity |
1) 他のELISA法に用いる組み換え抗原の開発と評価を試みる。 2) スリランカなどの実際の流行地の医療機関でprospectiveに患者血清・患者データ・臨床データを収集し、血清学的検討の臨床上の意義を明確にする。また、その過程で新規ELISA法の改良を試みる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
入金時期が遅れたため組み換え抗原作成や過去の患者血清の血清学的解析に必要な物品を購入するのが遅れた。このため、当初の計画より遅れて計画を進めている。今年度に入っても継続して解析を行う予定でそのために必要な各種消耗品の購入に使用する。
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Research Products
(1 results)