2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23791149
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
橋本 多恵子 山形大学, 医学部, 助教 (30507629)
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Keywords | リポ蛋白糸球体症 / ApoE-Sendai / アポリポ蛋白E |
Research Abstract |
リポ蛋白糸球体症は,主にアポE蛋白遺伝子変異による腎疾患で半数が腎不全に至る.なかでもApoE-Sendai変異が最も多く,この変異を有する症例の殆どは山形県に由来することから,山形県における変異頻度の高さが推察される.最近,効果的な治療法が確立されたことから,早期発見・治療が求められる.本研究では,①山形県における遺伝子頻度や②腎不全における本疾患の割合を調べ,早期発見治療の対策を講ずることを目的とする. 【対象と方法】①山形県内の基幹病院にて出生し,保護者より書面にて研究協力の承諾を得た新生児を対象し、山形県におけるApoE-Sendai変異の遺伝子頻度について調査した。検査標本としては,先天代謝異常マス・スクリーニングの検査に用いた残りの濾紙血からDNAを抽出しTaqman(R)SNP Genotyping Assaysにより遺伝子変異をスクリーニングした。②山形腎不全研究会に登録している透析施設,36施設,2124名の透析患者のなかで同意を得られた方の血液からDNAを抽出した. 【結果】①現時点で山形県で出生した各地域の新生児800人の解析を終了しているが,変異保有者は検出されていない。現在も検体収集,解析作業は進行中である. ②現時点で同意を得られた透析患者さんは418名で,DNA抽出まで終了している. 【考察・今後の展開】①現時点では遺伝子変異をスクリーニング検査で検出されていないが、さらに検体数を増やし、変異保有率を検索する。②透析患者検体の解析を施行し、山形県における、腎不全患者内でのリポ蛋白糸球体症の占める割合を算出する.ApoE-Sendai変異を確認した症例では,遺伝カウンセリングを施行し,家族および血縁者におけるリポ蛋白糸球体症の発症の危険性を説明し,それらの検索を勧め、早期に治療介入する.
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Research Products
(2 results)