2011 Fiscal Year Research-status Report
Tollーインターロイキン1受容体ドメインの結合特異性を利用した免疫抑制法の開発
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23791161
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
大西 秀典 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60381620)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 自然免疫 |
Research Abstract |
本研究では、自然免疫を担う中心的受容体であるToll様受容体(TLR)シグナル伝達及びサイトカインIL-1/18/33のシグナル伝達経路を対象としたタンパク構造及び機能解析を通じて、自己炎症性症候群や慢性炎症性疾患等の免疫異常疾患に対する効果的な治療法開発への道を開くことを目指している。具体的にはこれらのシグナル経路上に存在するアダプター分子MyD88を標的とし、MyD88と相互作用する受容体群及びアダプター分子群のToll-Interleukin-1受容体(TIR)ドメインとの直接相互作用を詳細に解析し、IL-1ファミリー/TLRシグナルの流れを遮断・調節するような薬剤候補物質を開発することになる。 今年度は、細胞内タンパクであるMyD88の優性阻害変異型(DN)を細胞内に外部から浸透させるためのドメイン(Protein trunsduction domain, PTD)を融合したPTD-MyD88-DNを大腸菌タンパク発現系で発現精製させることに成功した。さらにこれを用いて、TLR4-MD2-CD14発現HEK293細胞にて、LPS刺激による反応応答を用量依存性に阻害することができることを証明した。 しかし、一方で大腸菌宿主で精製したタンパクであるため、エンドトキシンの夾雑が問題となっており、単球系培養細胞であるTHP-1細胞でのLPS応答性では明らかな阻害効果を認めることができなかった。 また、TIRドメイン間のヘテロ複合体の構築については、TLR2、TLR1、Mal、MyD88のTIRタンパクを精製し、それぞれの組み合わせでNMR滴定実験を行ったが、Mal-MyD88間の相互作用以外は検出不能であった。 次年度以降、精製方法の改善によりエンドトキシンの除去を試みる、あるいはタンパク発現宿主を大腸菌から昆虫細胞培養系に変更することを検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Protein transduction domain融合MyD88優性阻害型タンパクを安定に発現精製可能か実験系が確立され、さらにLPS刺激によるTLR4シグナルの活性化が有意に抑制可能であることが証明された。このため概ね本研究は順調に進展していると考えている。 課題であるエンドトキシンの夾雑についても新たにエンドトキシンを強力に除去する液体クロマトグラフィー用のカラムを導入し、除去を試みる予定である。 一方、TIRドメイン間のヘテロ複合体構築は、各ドメインタンパクの精製は高純度のサンプルが精製可能となっているが、安定複合体形成条件が不明なままである。こちらも次年度以降バッファー条件等を検討する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
Protein transduction domain融合MyD88優性阻害型タンパク(PTD-MyD88-DN)のエンドトキシンを、工業用の高性能エンドトキシン除去カラムを使用して、除去する。エンドトキシンフリーPTD-MyD88-DNを用いて、種々の培養細胞系において、TLRシグナル及びIL-1ファミリーシグナル応答の阻害効果を確認する予定である。 TIRドメイン間のヘテロ複合体構築は、安定複合体形成にバッファー条件等を検討する予定である。評価方法は、NMR滴定実験、液体クロマトグラフィ-法等で評価する。安定複合体が完成次第、タンパク構造解析に向けた、結晶化条件の探索に移行する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究の研究経費の使用用途の大半は、消耗品である。すなわち種々の蛋白質を大量発現・精製するため、発現ベクター作成のためのDNA合成、分子生物学試薬が必要となる。大腸菌や昆虫細胞SF-9を使った蛋白質の大量調製のための各種消耗品・試薬も必要である。また、主としてタンパク間相互作用の検討に利用するためのNMR用の蛋白質を安定同位体で標識するため15N 塩化アンモニウムや13Cグルコース、安定同位体標識アミノ酸が必要である。さらに、蛋白質結晶化のための結晶化試薬・スクリーニング・キットが必要である。In vitroで行なう蛋白質相互作用解析や、細胞を使ったアッセイのための各種生化学試薬が必要である。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Structural property of soybean protein P34 and specific IgE response to recombinant P34 in patients with soybean allergy.2012
Author(s)
Morita H, Kaneko H, Ohnishi H, Kato Z, Kubota K, Yamamoto T, Matsui E, Teramoto T, Fukao T, Kasahara K, Kondo N.
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Journal Title
Int J Mol Med.
Volume: 29
Pages: 153-158
DOI
Peer Reviewed
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