2013 Fiscal Year Annual Research Report
Tollーインターロイキン1受容体ドメインの結合特異性を利用した免疫抑制法の開発
Project/Area Number |
23791161
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
大西 秀典 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60381620)
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Keywords | 自然免疫 |
Research Abstract |
本研究では、Toll様受容体(TLR)シグナル伝達経路上の中心的なアダプター分子MyD88を標的とし、MyD88と相互作用する受容体群及びアダプター分子群のToll-Interleukin-1受容体(TIR)ドメインとの直接相互作用を詳細に解析し、IL-1ファミリー/TLRシグナルの流れを遮断・調節するような薬剤候補物質を開発することを目的としている。 方法: 細胞内タンパクであるMyD88の優性阻害変異型(DN)を細胞内に外部から浸透させるためのドメイン(Protein transduction domain, PTD)を融合したPTD-MyD88-DNを大腸菌タンパク発現系で発現精製し、それによるTLRシグナル伝達への影響を検討する。 結果: PTD-MyD88-DNの精製に成功したが、大腸菌由来のエンドトキシンの夾雑があり、このタンパクの機能評価が困難であった。そこで、機能評価の検討方法として以下の対策を行った。1. TLR1及びTLR2、NF-κB reporter gene遺伝子が安定発現した細胞株を新たに導入した。2. MyD88-TIRタンパクが非還元環境ではドメイン構造の表面露出したシステインを介してS=S結合により多量体を形成してしまうことが判明したため、システインをセリンに置換したC203S-C280S(CS)変異体を構築した。MyD88-DNは非還元環境では凝集するが、MyD88-DN-CSは非還元環境でも単量体で存在することが確認できた。一方で、MyD88-DN-CSは遺伝子レベルでの発現では、Pam3CSK4によるTLR1/2シグナル経路の活性化を有意に抑制するが、PTD-MyD88-DN-CSタンパクを添加したところ、リガンド非依存性にNF-κB活性の上昇が認められた。 考察: pcDNA3.1+により細胞内に発現させたタンパクと、PTDにより導入したタンパクでは細胞内の局在に差異が生じ、結果として炎症応答への機能修飾様式が異なるものと推測される。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Autosomal dominant anhidrotic ectodermal dysplasia with immunodeficiency caused by a novel NFKBIA mutation, p.Ser36Tyr, presents with mild ectodermal dysplasia and non-infectious systemic inflammation.2013
Author(s)
Yoshioka T, Nishikomori R, Hara J, Okada K, Hashii Y, Okafuji I, Nodomi S, Kawai T, Izawa K, Ohnishi H, Yasumi T, Nakahata T, Heike T.
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Journal Title
J Clin Immunol.
Volume: 33
Pages: 1165-1174
DOI
Peer Reviewed