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2011 Fiscal Year Research-status Report

プロテオミクス分析による小児特発性微小変化型ネフローゼ症候群発症原因蛋白質の同定

Research Project

Project/Area Number 23791191
Research InstitutionJichi Medical University

Principal Investigator

小高 淳  自治医科大学, 医学部, 助教 (70382885)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywords特発性ネフローゼ症候群 / プロテオミクス / 糸球体透過性因子
Research Abstract

(具体的内容)本研究の第一の目的は、我々が先の研究で特定した小児特発性ステロイド感受性ネフローゼ症候群(ISSNS)の4つの病因候補一次質量ペプチドイオンの情報を用いて、病因候補蛋白質を同定することである。具体的には、患者血清から各種クロマトグラフィーを用いて、特定している病因候補一次質量ペプチドイオンの質量電荷比の情報に基づき、病因候補蛋白質を精製した。これをペプチドシークエンスタグ法により、質量分析を行い、最終的に病因候補蛋白を同定した。これら4つのうち2つに関しては、H23年度の研究にて、アポリポプロテインA-2、アポリポプロテインC-1であることを同定した。(意義・重要性等)これまでの報告でネフローゼ症候群とこれらのアポリポプロテインの上昇に関するものは散見されるが、その機序はネフローゼ症候群において続発するとされる高脂血症に伴うものであると一般的に理解されている。つまりネフローゼ症候群に伴う二次的な変化であるという考え方である。しかしながら、今回の研究では、ISSNS群と二次性ネフローゼ群との間で、これらのアポリポプロテインの値に統計学的な有意差を認めており、これらがネフローゼ症候群に続発する高脂血症によるものとは断定できず、ISSNSの病態に特異的に起こっている変化である可能性が考えられた。このようなアポリポプロテインのプロファイリングの変化が、ISSNSにおける糸球体の透過性亢進に一次的に関連しているのか、あるいはISSNSで生じている何らかの異常の結果であるのか、何れにしても、いまだ不明であるISSNSの病態形成を解明していく手がかりになると思われる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

H23年度中に、4つのうち2つの病因候補蛋白質を同定した。現在、残りの2つに関しても同定を進めている。

Strategy for Future Research Activity

残りの2つの病因候補蛋白の同定を進めるとともに、アポリポプロテインのプロファイリングの異常とISSNSの病態との関連に関する考察を進める。まずは、これらのアポリポプロテインの上昇がネフローゼ症候群に伴う低蛋白血症が原因で生じる二次性の変化であるか否かを再確認するために、再発直後で低蛋白血症を呈さず、高脂血症も来していないISSNS症例の血清アポリポプロテインの定量を行い、寛解期のそれとの比較を行い高値であることを確認する。これにて、二次性の要因が否定できれば、ISSNSの病態形成に強い関与が推定されている免疫系、特にTリンパ球とこれらアポリポプロテインとの関連の有無を確認する。具体的には、2つの仮説の下、研究を進めていく。(1)アポリポプロテインのプロファイリングの変化がISSNS患者のTリンパ球の機能に変化をもたらし、糸球体透過性因子の産生を誘導する、(2)何らかの要因によりISSNS患者のTリンパ球の機能に変化が生じ、これらのアポリポプロテインの産生が亢進する。(1)に関しては、ISSNS患者由来の血清から精製したこれらのアポリポプロテインと尿所見正常群から精製したこれらのアポリポプロテインをそれぞれ、ISSNS患者リンパ球培養液中に添加し、その上清中の蛋白の質量分析を行い、患者血清由来のアポリポプロテインを添加した群で有意に上昇している蛋白を同定する。(2)に関しては、ISSNS患者リンパ球の培養上清と対照となる尿所見正常例のリンパ球の培養上清における、これらアポリポプロテインの定量を行い比較する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

現在、進行中である、残り2つの病因候補蛋白の同定のためのチップやバッファー等の消耗品、および、二次性の変化であるか否かの再確認の目的に、上述のように行う血清アポリポプロテインの定量のための、ELISAキットおよび測定機器、消耗品を購入する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] SELDI-TOF MS法による、小児特発性ステロイド感受性ネフローゼ症候群における特異的因子の解析2012

    • Author(s)
      小高 淳
    • Organizer
      第115回日本小児科学会学術集会
    • Place of Presentation
      福岡国際会議場(福岡)
    • Year and Date
      2012年4月20日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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