2012 Fiscal Year Research-status Report
C型肝炎ウイルスの変異及び免疫複合体が母子感染に与える影響についての検討
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23791192
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
横山 孝二 自治医科大学, 医学部, 講師 (50528495)
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Keywords | C型肝炎 / 母子感染 / 超可変領域 / 免疫複合体 |
Research Abstract |
HCV母子感染例6例について、一過性感染(自然陰性化)例 3症例、持続感染例 3症例について超可変領域(HVR)の解析を進めている。 本年度は、免疫沈降法によりHCV抗体と結合し血清中で免疫複合体の状態となっているHCVと、結合していないフリーな状態のHCVについて、HVRのクローニングによる解析を行っている。それぞれ100クローンずつを抽出し、それぞれのHVRの多種性に差があるかどうか、個の中での違い、一過性感染と持続感染例での違いを解析する予定としている。一過性感染例ではほぼ単一のクローンであるのに対し、持続感染例では多種性に富んでいることを予想しているが、今後解析を進めていく。併せて次世代シーケンサーを用いた網羅的な解析も今後検討している。 併せて、IL28Bの解析についても、学内の倫理委員会の承認を得て解析を行っている。6例の検討では、IL28Bと一家性感染には明らかな関連は認められなかった。 本年度は、HCV母子感染の研究の過程で同定された、HCV 2b/1b recombinant株について解析し、インターフェロン(IFN)療法後の結果を踏まえた報告を日本賞に栄養消化器肝臓学会雑誌に掲載した。HCV感染に対するIFN療法の効果に関係すると考えられているNS5B領域が本症例では遺伝子型 1bであったことから、IFN不応となる可能性も考えられたが、遺伝子型1bに準じた治療を行い奏功した。 今年度もHCV母子感染に関する解析を進めていき、結果を論文・学会発表の形で公表する予定としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
C型肝炎(HCV)母子感染について、一過性感染、持続感染に関してウイルス側の要因を検討することを目的としている。免疫沈降法による、免疫複合体を形成したHCVと形成していないHCVとの分離を行い、現在超可変領域(HVR)の解析を順次行っているところである。3半期でHVRのクローニングによる解析を終了し、データの解析及び論文の作成を次の3半期で行う予定としている。 結果については、本年度中に論文、学会発表に形で公表できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、HVRのクローニングによる解析を進めている。100クローンずつ1200クローンの解析が必要でり、解析には時間を要するが、3半期で解析を終了する予定にしている。 解析と並行して、解析結果の集積及び論文作成を進めていく。 今年度中の論文作成、及び学会発表を目標としている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費については、クローニングに要する試薬や備品、書籍、旅費、英文論文作成等に当てる予定としている。
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Research Products
(1 results)