2013 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎ウイルスの変異及び免疫複合体が母子感染に与える影響についての検討
Project/Area Number |
23791192
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
横山 孝二 自治医科大学, 医学部, 講師 (50528495)
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Keywords | C型肝炎 / 超可変領域 / 母子感染 / 自然排除 / quasispecies / 免疫複合体 |
Research Abstract |
HCV母子感染例6例について、一過性感染(自然陰性化)例 3症例{症例A(10か月)、症例B(2歳11か月)、症例C(1歳10か月)}、持続感染例 3症例{症例D(1歳11か月)、症例C(12か月)、症例D(2歳8か月)}について超可変領域(HVR)の解析を行った。 免疫沈降法によりHCV抗体と結合し血清中で免疫複合体の状態となっているHCV(BF)と、結合していないフリーな状態のHCV(Ff)について、HVRのクローニングによる解析を行っている。それぞれ100クローンずつを抽出し、それぞれのHVRの多種性に差があるかどうか、個の中での違い、一過性感染と持続感染例での違いを解析した。また次世代シーケンサーを用いて同様の解析を行い、両者の比較を行った。 持続感染例では、免疫複合体を形成したないフリーの状態のウイルスの種類が一過性感染例と比較して多かった。この差異は次世代シーケンサーを用いた実験でも同様の結果であった。Bfにないstrain(生き延びる可能性があると考えられるウイルス)が持続感染例ではFrに100個中数個(数パターン)認められた。今回の研究の結果は自治医科大学乾癬免疫学部門ウイルス学教室主催のウイルス肝炎談話会で発表した。また、本年6月に台湾で開催される、台湾小児栄養消化器肝臓学会で発表予定である。また論文として発表する準備を進めている。 今回の研究ではquasispecies及び免疫複合体形成の有無とウイルスの自然排除との関連は示唆されたが、明示することはできなかった。現在、乳児期より経過を見ている2症例で、1例は一過性感染となった症例がある。本2例について、免疫複合体形成の有無とウイルス変異について経時的に解析する予定としている。
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Research Products
(1 results)