2013 Fiscal Year Annual Research Report
先天性横紋筋融解症特異的iPS細胞を用いた新規疾患モデルの作製と治療法の開発
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23791200
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
安野 哲彦 福岡大学, 医学部, 助手 (80551994)
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Keywords | iPS細胞 / 横紋筋融解症 / ベザフィブラート |
Research Abstract |
Carnitine palmitoyltransferase IIは長鎖脂肪酸のミトコンドリアへの取り込みに必須の酵素である。その欠損症は常染色体劣性遺伝病で、脂肪酸β酸化の低下によりエネルギー不足に陥り、横紋筋融解症を来す。本症の病態解明と有効な予防法や治療法の確立はできていない。研究実施のための筋組織の入手は有症時に得る必要性があるが、入手は困難である。患者皮膚細胞よりiPS細胞を樹立し、病態をin vitroにて再現し、新規試験管疾患モデルの作製と治療法の開発を行った。 患者由来の皮膚線維芽細胞からiPS細胞を樹立した。未分化マーカーの発現、三胚葉への分化能を確認した。このiPS細胞は、患者の遺伝子変異を保因していた。MyoDを遺伝子導入して、骨格筋へ分化誘導した。マイクロアレイ、電顕およびリアルタイムPCRにて、成熟した骨格筋に分化していることを確認した。38度の熱刺激を加え、培養液をタンデム質量分析で解析した。健常者と比較して、CPTII欠損症に特徴的なC16が増加しており、治療薬として期待されているベザフィブラートにて代謝が改善することが分かった。 これらの結果は、先天性代謝疾患の病態解明において、ヒトiPS細胞は有用であることを示している。Biochemical and Biophysical Research Communications(BBRC)に報告し、受理された(in press)。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Functional Analysis of iPSC-derived Myocytes from a Patient with Carnitine Palmitoyltransferase II Deficiency2014
Author(s)
Tetsuhiko Yasuno, Kenji Osafune, Hidetoshi Sakurai, Isao Asaka, Akihito Tanaka, Seiji Yamaguchi, Kenji Yamada, Hirofumi Hitomi, Sayaka Arai, Yuko Kurose, Yasuki Higaki, Mizuki Sudo, Souichi Ando, Hitoshi Nakashima, Takao Saito, Hidetoshi Kaneoka
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Journal Title
Biochem. and Biophys. Res. Commun
Volume: (in press)
DOI
Peer Reviewed