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2011 Fiscal Year Research-status Report

Bリンパ腫特異的新規ジンクフィンガー蛋白のB細胞分化、腫瘍特性における意義の解明

Research Project

Project/Area Number 23791211
Research InstitutionNational Research Institute for Child Health and Development

Principal Investigator

飯島 一智  独立行政法人国立成育医療研究センター, 小児血液・腫瘍研究部, その他 (30468508)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywordsアポトーシス / 胚中心 / リンパ腫 / B細胞
Research Abstract

研究代表者らはバーキットリンパ腫 (BL) において特異的に発現する遺伝子としてZinc Finger型タンパク質をコードするZNF385Bを同定した。B細胞におけるZNF385B発現誘導系を作成したところ、最も長いアイソフォーム (IF-) 1がアポトーシスを誘導するのに対し、N末のZinc Fingerドメインを欠いたIF-2/3はBCRやCD20架橋刺激によって誘導されるアポトーシスを抑制したが、その標的分子や作用機序は不明であった。本年度は、ZNF385Bの標的分子の探索およびシグナル伝達機構の解析を行った。アミノ酸レベルで高い相同性を有するZNF385Aがp53のDNA結合ドメインと結合し、DNA損傷により誘導されるアポトーシスを抑制することから、ZNF385Bもまたp53と結合するのではないかと考え、免疫沈降法および酵母ツーハイブリッド法によりp53とZNF385Bの相互作用について解析した。その結果、ZNF385B IF-1、IF-2/3ともにp53と直接結合することが示された。次に、IF-1により誘導されるアポトーシスの細胞内シグナル伝達機構を明らかにするため、樹立済みのZNF385Bを薬剤依存的に発現誘導可能なBJAB細胞株を用い、real-time PCRおよびwestern blottingによりp53転写産物の発現を解析した。ZNF385B IF-1の発現によってアポトーシス促進分子であるPERPおよびFAS/CD95の発現が上昇していた。以上の結果より、ZNF385Bは成熟B細胞においてp53と結合し、FAS/CD95, PERPの転写活性を変化させることでアポトーシス制御に関与していることが示された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の計画通りに、初年度の目標であったZNF385Bの標的分子の同定およびアポトーシス誘導におけるシグナル伝達機構の解明をすることができた。ZNF385Bにより発現が増したFAS/CD95は胚中心(GC)におけるB細胞成熟、特にクローナルセレクションやメモリーB細胞レパトーリー構築に重要な分子と報告されており、その発現を調節するZNF385BもまたB細胞成熟の重要なプレーヤーであることが示唆された。次年度、正常B細胞における発現解析によってB細胞成熟経路におけるZNF385Bの意義を明らかにすることで、当初の研究計画は十分に達成されると考えられる。なお、計画段階では、酵母ツーハイブリッド法を用いてライブラリー中からZNF385Bの標的分子を探索する予定であったが、構造の相同性から推測されたp53との結合が確認されたことから、p53関連遺伝子の詳細な検討を優先して進め、ライブラリー中からの探索は行わなかった。p53以外の標的の存在も否定できないことから、次年度にライブラリーからの探索を計画している。

Strategy for Future Research Activity

1.BL、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 (DLBCL) 臨床検体におけるZNF385Bの発現をRT-PCRおよび免疫組織化学(IHC) により解析する。BLとDLBCLはしばしば鑑別が困難であり、免疫組織化学による検出はルチーンの病理学的診断の中に組み込むことも可能であるため、両者の鑑別診断への応用が期待される。2.BLの正常発生母地は、リンパ濾胞胚中心 (GC) に局在するcentroblastと考えられているが、予備的な免疫染色実験において、正常リンパ節のGCにおいてもZNF385Bが発現していることが示された。上述の通り、ZNF385BがGCにおけるB細胞成熟に重要である可能性が示唆されているため、正常のリンパ組織についての免疫染色および分化段階ごとに単離したB細胞を用いたreal-time PCRによりZNF385Bの発現を解析し、GCにおけるZNF385Bの時空間的発現パターンについて明らかにする。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度もZNF385Bの細胞培養実験と分子特性解析を継続して行う。そのため、細胞培養、分子生物学的実験試薬、生化学実験試薬のための経費を計上している。今年度得られた成果と合わせて本研究の成果を広く世界に問うため、学会参加のための旅費と論文投稿・掲載にかかる費用を計上している。

  • Research Products

    (4 results)

All 2011

All Presentation (4 results)

  • [Presentation] Burkitt Lymphoma Specific Zinc Finger Protein ZNF385B Is Involved in Regulation of B Cell Apoptosis2011

    • Author(s)
      Kazutoshi Iijima, Hiroyuki Yamada, Masashi Miharu, Atsuko Nakazawa, Junichiro Fujimoto, Kenichiro Kobayashi, Hajime Okita, and Nobutaka Kiyokawa
    • Organizer
      53rd American Society of Hematology Annual Meeting
    • Place of Presentation
      San Diego, CA, USA
    • Year and Date
      2011年12月10日
  • [Presentation] バーキットリンパ腫特異的ジンクフィンガー蛋白によるB細胞のアポトーシス制御2011

    • Author(s)
      飯島一智, 清河信敬
    • Organizer
      第40回日本免疫学会学術集会
    • Place of Presentation
      幕張
    • Year and Date
      2011-11-27
  • [Presentation] バーキットリンパ腫特異的分子ZNF385Bはp53を介してアポトーシスを制御する2011

    • Author(s)
      飯島一智, 山田浩之, 三春晶嗣, 中澤温子, 藤本純一郎, 大喜多肇, 清河信敬
    • Organizer
      第73回日本血液学会学術集会
    • Place of Presentation
      名古屋
    • Year and Date
      2011-10-15
  • [Presentation] バーキットリンパ腫特異的分子ZNF385Bはp53に結合してアポトーシスを制御する2011

    • Author(s)
      飯島一智, 中澤温子, 藤本純一郎, 大喜多肇, 清河信敬
    • Organizer
      第70回日本癌学会学術総会
    • Place of Presentation
      名古屋
    • Year and Date
      2011-10-05

URL: 

Published: 2013-07-10  

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