2011 Fiscal Year Research-status Report
ステロイドによる新生児脳障害およびその治療法の開発
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23791221
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
一ノ橋 祐子 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (60465523)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | デキサメサゾン / 脳障害 |
Research Abstract |
Dexamethasone(DEX)が神経幹細胞に与える影響について検討した。 胎齢14のSDラット脳より抽出した神経幹細胞を1週間増殖し、その後DEXを添加してさらに1週間増殖させた。DEX投与1週間後のneurosphereの数はcontrol群に比べて少なく、また径も小さい傾向であった。次にこのneurosphereを個々の細胞に分離し、総細胞数を測定した。DEX投与により総細胞数は有意に少なくなり、さらにDEXの濃度依存性に減少していた。細胞活性を評価するため、生細胞測定キット、WST-1を用いて同様に検討した。その結果、やはりDEX濃度依存性に生細胞数は有意に減少していた。 次にこの細胞減少が細胞死の誘導によるものか細胞増殖抑制によるものかを検討すべく、それぞれのLDHを測定した。DEX添加で増殖させた神経幹細胞においてはcontrol群と比べてLDHの有意な増加はみられず、細胞死ではなく細胞増殖脳抑制による細胞数減少ということが明らかとなった。 in vivoにおいて、生後早期に少量DEXを投与することによる短期的および長期的な予後の評価を行っている。まだ経過途中ではあるが、生後早期のみのDEXのみでも学習障害がみられるということが言えそうである。また免疫染色による組織学的評価においても、海馬を中心にアポトーシスの増加がみられている。 今後はこれらの学習障害などのさrなる評価とともに、組織学的評価を詳細に検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床と並行して研究を行っており、当初の予定通り概ね順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
DEXによる神経学的評価として、各種行動実験を継続するとともに、組織学的評価を含めてそのメカニズムを詳細に検討する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
動物購入および試薬や抗体など、当初の予定通りの研究費と考えている。
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