2012 Fiscal Year Research-status Report
ステロイドによる新生児脳障害およびその治療法の開発
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23791221
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
一ノ橋 祐子 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60465523)
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Keywords | デキサメサゾン |
Research Abstract |
Dexamethasone(DEX)が神経幹細胞に与える影響について検討した。 胎齢14のSDラット脳より抽出した神経幹細胞を1週間増殖し、その後DEXを添加してさらに1週間増殖させた。DEX投与1週間後のneurosphereの数は減少し、径も小さくなった。 次にこの細胞減少が細胞死の誘導によるものか細胞増殖抑制によるものかを検討すべく、それぞれのLDHを測定した。DEX添加で増殖させた神経幹細胞においてはcontrol群と比べてLDHの有意な増加はみられず、さらに、トリパンブルーを用いた染色でも細胞死については増加をみとめなかった。これよりDEXによる細胞数減少は、細胞死ではなく細胞増殖脳抑制による細胞数減少ということが明らかとなった。 in vivoにおいて、生後早期に少量DEXを投与することによる短期的および長期的な予後の評価を行っている。生後早期のみのDEXのみでも学習障害がみられた。また免疫染色による組織学的評価においても、海馬を中心にアポトーシスが増加し、これらの学習障害の一因となっている可能性が示唆された。 今後はこれらの学習障害などのさらなる評価とともに、組織学的評価を詳細に検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床業務と並行して研究を行っており、当初の予定通りの経過である。また、予測された結果を得ることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
DEXによる神経学的評価として、各種行動実験を継続するとともに、組織学的評価を含めてそのメカニズムを詳細に検討する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
動物購入および試薬や抗体など、当初の予定通りの研究費と考えており、最終年にはもう少し研究成果を広めるべく活動を行いたい。
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