2012 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト未熟児網膜症発症における神経軸策誘導分子群の遺伝子変異に関する研究
Project/Area Number |
23791223
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
三輪 明弘 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (70457076)
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Keywords | 未熟児網膜症 / エリスロポエチン / 一塩基多型 |
Research Abstract |
神経軸索誘導分子として既知の因子のうち、エリスロポイエチン(EPO)に着目し、EPO遺伝子プロモーター領域の一塩基多型であるrs1617640(C/A)アレルA頻度の増加とROPの発症の関連を検討した。目的はEPO遺伝子rs1617640(C/A)アレルAの正常新生児における頻度を確認し、早産児においてROP発症との関連を明らかにすることである。 対象は正常新生児50例および在胎週数32週未満のROP 44例(中央値:在胎27週、出生体重838g)と非ROP 53例(中央値:在胎29週、出生体重1,158g)。ROPは光凝固療法を要した症例と定義した。遺伝子解析は臍帯血・末梢血・頬粘膜より採取したゲノムDNAを用いてPCR法およびRFLP法にて行った。1) 正常新生児のアレルAの頻度を確認した。2) 早産児において、臨床背景、アレル頻度、ジェノタイプ頻度につきROPおよび非ROPの2群間で単変量解析行い、リスク因子を求めるため多変量解析を行った。 正常新生児のアレル頻度はアレルC:17%、アレルA:83%であり既存の報告と差はなかった。ROPと非ROPの2群間でアレルA頻度(ROP:78%、非ROP:82%)、ジェノタイプ頻度(ROP:CC9%/CA25%/AA66%、非ROP:CC4%/CA28%/AA68%)ともに有意な差はなかった。ROPと非ROPの臨床背景では、単変量解析にて妊娠高血圧症候群、在胎週、出生体重、アプガースコア、呼吸窮迫症候群、輸血、ヒト遺伝子組み換え(hr-)EPO投与、酸素投与日数、慢性肺疾患がROPで有意に多く、多変量解析行ったところhr-EPO投与がROP発症の独立したリスク因子として抽出された。ROP発症には内因性にEPO濃度を上昇させるEPO遺伝子多型ではなく、未熟児貧血の治療薬として外因性に投与されたhr-EPOと関連があることが示唆された。
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Research Products
(1 results)