2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23791234
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
杉浦 時雄 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10381881)
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Keywords | 動脈管開存症 / 遺伝子多型 / インドメタシン / 早産児 |
Research Abstract |
未熟児動脈管開存症(PDA;patent ductus arteriosus)は、肺出血や頭蓋内出血といった致死的合併症の誘因として重要である。未熟児PDAの治療にはインドメタシン投与による内科的閉鎖と外科的結紮がある。侵襲の大きな結紮術に踏み切るのはためらわれ、インド メタシン投与が繰り返されることも多い。しかしインドメタシンの効果には大きな個人差があり、また腎障害、低血糖等の副作用が問題となる。あらかじめインドメタシンの効果を予知することができたら、早期に外科的対応を考慮できる、無用の副作用を回避できる など臨床的判断に画期的な情報を提供することができる。未熟児動脈管開存症における遺伝子多型に関する研究を開始した。まず、名古屋市立大学ヒト遺伝子解析研究倫理審査委員会に申請し、承認を得た。また、関連病院の豊橋市民病院にも研究協力の依頼をし、豊橋市民病院における臨床研究審査委員会の承認を得た。NICUに入院した32週未満の早産児を対象とし、保護者から同意の得られた児より、退院前に先天代謝異常のマススクリーニング用に採血したろ紙血を採取し、保存した。これまでに32週未満の早産児80例の検体が集まった。男児が41例、女児が39例、週数は中央値29週(範囲;22週~31週)、出生体重は中央値1059g(範囲;476g~2158g)、PDA自然閉鎖が30%、インダシン1回使用が46%、2回使用が23%、動脈管結紮術施行例は7.7%であった。副作用に目立ったものはなかった。これまでに動脈管閉鎖との関連が報告されたTFAP2B(transcription factor AP-2)について遺伝子多型の解析のためのprimer設計を行った。ろ紙血の一部からDNAを抽出した。リアルタイムPCRによる遺伝子多型解析のための実験系を確立した。
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Research Products
(8 results)