2012 Fiscal Year Research-status Report
脳代謝の律動から迫る新生児脳の発達評価:脳波とNIRSを用いた新生児睡眠解析
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23791240
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
大矢 崇志 久留米大学, 医学部, 助教 (70333234)
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Keywords | NIRS / Low frequency |
Research Abstract |
当院産科で出生した早産~正期産児を対象として、NIRSと脳波の同時記録を行い、解析に必要な人数の測定は終了した。NIRS、脳波の波形解析について、九州大学大学院システム生命科学府の伊良皆教授の協力を頂き、解析中である。現在、各睡眠相におけるNIRSパラメータの解析(各睡眠相における低周波成分の発生の差異の比較)、脳波とNIRSの関連性(NIRSの低周波成分と脳波の低周波成分との関連、静睡眠期のburst成分との関連など)などの解析を終了している。これらの解析を終了した時点で、これらの低周波成分と自律神経系の周期的な低周波成分との間の関連性を見いだしたため、現在その点について解析中である。 これらの解析が終了後に、解析の要点をしぼった上で、病的新生児の解析を行うことにしている。当初予定していた動物実験に関しては、まだ進んではいないが、健常新生児での解析結果を踏まえて、計画を立案する予定である。 これまでの研究の結果は、今年の日本小児神経学会総会で発表の後、論文化し、今年中に投稿する予定にしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
健常群での測定を終了した。解析について、九州大学の伊良皆教室に協力を依頼している。はじめの頃は、分野の違いから解析するのに時間がかかったが、現在は、研究仮説の証明のために必要な、最終的なデータ解析をする段階にまできている。以上の点から順調に伸展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
健常群の解析結果から得られた結論が、病的な新生児ではどうなっているのか、という点を明らかにする。このような病的な新生児の経過を追い、その変化を観察していく。同時に乳児、幼児、学童の健常群のデータも平行して集めていき、差異の検討ができるようにしたい。 動物実験については、計画の前段階である。当初、NIRSの低周波成分の起源について調べることを目的とした実験を考えていたが、その後の文献検索などで、基礎的なデータが出ていることが分かった。我々の目的は、今回の検査バッテリーの臨床応用であるため、臨床研究を進めた方が良いのではないかと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
学会発表、論文投稿に必要な諸費用。自律神経系の律動を測定する為の機器。必要に応じて、生体の律動(リズム)を測定する機器の購入。消耗品の購入。
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Research Products
(1 results)