2012 Fiscal Year Annual Research Report
アトピー性皮膚炎とフィラグリン遺伝子のサイズ多型の関連の解明
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23791245
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
乃村 俊史 北海道大学, 大学病院, 助教 (50399911)
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / フィラグリン / 遺伝子 |
Research Abstract |
フィラグリン遺伝子(FLG)は、10-12個のほぼ相同な972塩基の繰り返し配列から成り、繰り返し配列の数が個体により異なるという特徴を持つため、表皮において、個体により異なった大きさのプロフィラグリンが産生されることになり、同じアトピー性皮膚炎でもフィラグリンを多く持つ患者と少なく持つ患者が存在することになる。この繰り返し配列の数の違いによるフィラグリンの発現量の違いは表皮バリア機能やアトピーの重症度に影響を与えると推測されるが、これまで繰り返し配列の個数とアトピーの重症度との関係は不明であった。本研究では、両者の関係を明らかにすることを目指す。アトピー性皮膚炎患者についてFLG変異解析を行ったところ、これまでの変異検索結果とあわせると、アトピー患者約300名のうち、約30%弱がFLG変異を有することが明らかになった。次に、これら約300名のアトピー患者についてFLGの繰り返し配列の数について検討を行った。 FLGは、10-12個の繰り返し配列を持つが、それはrepeat 8とrepeat 10をそれぞれ2個ずつ持つ個体がいることに起因する。FLGのエクソン3の全長を増幅するプライマーを作成し、PCR法にて増幅を試みたが、12kb以上という極めて大きなPCR産物の増幅のためか、300例の検体のうち、エクソン3全長を増幅できたのは10%にも満たなかった。そこで、repeat7からrepeat10をすべて増幅できるようなプライマーを作成し、PCRを施行したところ、大部分の症例で、増幅することができ、FLGのサイズ決定を概ね終了することができた。その精度を確かめるため、数サンプルを次世代シークエンスで解析したが、繰り返し配列のため、次世代シークエンスによるサイズ多型解析は困難であった。日本人アトピー性皮膚炎では11個、12個のバリアントが多い傾向が認められた。
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