2011 Fiscal Year Research-status Report
CCR7リガンドがマウスランゲルハンス細胞のTh2ケモカイン産生に及ぼす影響
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23791255
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤田 英樹 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (10323544)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 皮膚免疫学 |
Research Abstract |
ランゲルハンス細胞(LC)の細胞表面抗原であるMHC class IIに対する抗体を用いたpanning法によりBALB/c マウス皮膚より95%以上の純度でLCを精製し、これを実験に用いた。精製直後の新鮮未熟LCおよび24時間無刺激下培養後の成熟LCを用い、RT-PCR法にてCCR7 mRNA発現を検討したところ、新鮮LCではCCR7 mRNAの発現を全く認めなかったが、成熟LCでは高い発現を認めた。さらに、成熟LCが実際にCCR7リガンドに反応し遊走することを確かめるため、0~1000 nMの段階的各濃度のCCL19およびCCL21を用いケモタキシスアッセイを行い遊走の濃度勾配曲線を作成したところ、成熟LCはCCL19およびCCL21に対して10 nMをピークとしたベル型の細胞遊走反応を示した。新鮮LCは10 nMのCCL19, CCl21に対して全く遊走を示さなかった。また成熟LCのCCL19およびCCL21に対する遊走はLCをpertussis toxinで前処理することにより阻害された。以上より、皮膚から直接単離したLCは成熟とともにCCR7のリガンドに対する反応性を獲得することが明らかになった。ケモカイン受容体はGタンパク質共役型受容体であることより、Gタンパク拮抗阻害剤であるpertussis toxinがLCのCCL19, CCL21に対する遊走を阻害したことは、遊走反応が細胞表面上に発現するCCR7を介したものであると考えられた。よって、LCが未熟な状態から成熟しCCL19とCCL21に誘導されて皮膚からリンパ節へ移動することを考えると、皮膚から単離したLCを培養し成熟する過程でCCL19, CCL21で刺激しCCL17の産生への影響を調べることは、in vivoでのCCR7リガンドのLCのCCL17産生に対する作用を知るための良いモデルと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の研究計画ではマウスのランゲルハンス細胞(LC)が実際に機能的なCCR7を発現しることを明らかにすることであったが、現時点で成熟LCがCCR7 mRNAを発現すること、成熟LCが実際にCCR7のリガンドであるCCL19, CCL21に対して細胞走化性を示すことが明らかにできており、本研究はほぼ予定通りの進行状況であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は当初の予定通り、平成24年度中に、CCL19およびCCL21がLCからのCCL17およびCCL22産生に及ぼす影響のELISA法での検討、CCL19およびCCL21がLCの成熟度に及ぼす影響のflow cytometry検討を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
マウス(BALB/c)の購入費として400000円、ELISAキット・測定試薬の購入費として800000円、フローサイトメトリー用抗体の購入費として400000円、抗体・試薬・培地の購入費として350000円を使用する予定である。
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