2012 Fiscal Year Annual Research Report
制御性B細胞におけるPI3Kシグナルによる制御機構の解析
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23791260
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
松下 貴史 金沢大学, 医学系, 助教 (60432126)
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Keywords | 制御性B細胞 / IL-10 / 自己免疫疾患 |
Research Abstract |
近年、免疫反応を抑制する作用を持つIL-10産生制御性B細胞が発見され、免疫疾患において非常に重要であることが明らかとなった。制御性B細胞の分化・増殖にはB細胞の表面マーカーであるCD19およびそのシグナル伝達(PI3Kシグナル)が重要であることが示唆されている。本研究では、PI3Kシグナルによる制御性B細胞の制御機構の解析に取り組んだ。 野生型マウスの脾臓由来B細胞を分離し、PI3Kシグナルを阻害する試薬を添加しin vitroで培養しIL-10産生B細胞の頻度をフローサイトメトリーで解析した。PI3K阻害薬としてはLY294002などを使用した。PI3Kシグナルの抑制因子であるPTENの欠損マウスは胚性致死である。よってPTEN欠損マウスを使った実験を行うにはCre-loxPシステムを用いて、コンディショナルな条件でのノックアウトが必要である。実際には、CD19Cre+/+マウスとPTENloxP/loxPマウスを掛け合わせCD19Cre+/-PTENloxP/loxP(B細胞特異的PTEN欠損)マウスを作成した。結果は、PI3K阻害薬はin vitroで制御性B細胞を減少させた。CD19Cre+/-PTENloxP/loxP(B細胞特異的PTEN欠損)マウスの解析では、コントロールマウスと比較して有意に制御性B細胞の増加がみられた。さらに、B細胞特異的PTEN欠損マウスではContact hypersensitivity反応の著明な低下が認められた。以上より、IL-10産生制御性B細胞の制御機構において、PI3K経路が重要であることを明らかにした。 これは、PI3Kシグナルによる制御性B細胞の制御機構を解明することにより炎症性疾患や自己免疫疾患に対する新規治療法の開発につながる意義のあるものである。
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[Journal Article] Autoantibodies to small ubiquitin-like modifier activating enzymes in Japanese patients with dermatomyositis: comparison with a UK Caucasian cohort.2013
Author(s)
Fujimoto M, Matsushita T, Hamaguchi Y, Kaji K, Asano Y, Ogawa F, Yamaoka T, Fujikawa K, Tsukada T, Sato K, Echigo T, Hasegawa M, Takehara K.
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Journal Title
Ann Rheum Dis.
Volume: 72
Pages: 151-153
Peer Reviewed
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