2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23791273
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
宮脇 さおり 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教 (90467853)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 発光ダイオード / 細胞増殖能 / 角化細胞 / 線維芽細胞 / 血管内皮細胞 / リンパ管内皮細胞 |
Research Abstract |
発光ダイオードは、近赤外~紫外線を単一波長で発光する光で、創傷治癒・皮膚の若返りなどに効果があるとされ、最近じょく瘡やしわに対し臨床応用が試みられている。しかしながら、作用機序についてほとんど解明されていない。本研究では発光ダイオードを用いた光線治療を確立し、その作用メカニズムをin vitroならびにin vivoにて検討することを目的とする。本年度はエネルギー密度やパルス幅などが調節可能な発光ダイオード照射機器を作製し線維芽細胞にあたえる影響について検討した。まず波長とフルエンスを変えて皮膚構成細胞に照射し、細胞増殖と形態を観察し、それぞれの細胞に最適な波長を調査した。 波長630nm、エネルギー量0.067J/cm2の発光ダイオードを線維芽細胞にそれぞれ1,2,3,4,5,10,20,30分照射し、72時間培養後に細胞数をコールターカウンターにて計測し、細胞増殖能を比較検討した。20分照射群でコントロールと比べ約1.3倍の細胞増殖能を認めた。過剰に30分間照射し、細胞障害について検討したが、線維芽細胞における形態変化は明らかではなかった。 同様に660nm、エネルギー量0.079J/cm2の発光ダイオードを同様の手順で照射し、細胞増殖能を比較検討した。15分、20分照射群でコントロールと比べ約1.5倍の細胞増殖能を認めた。過剰に照射した群における線維芽細胞の形態変化は認めなかった。 415nm、エネルギー量0.058J/cm2の発光ダイオードでは、照射量依存性に細胞増殖能が低下し、過剰照射群では線維芽細胞が萎縮し、Tunel法では、アポトーシスに陥った細胞が、コントロール群と比較し多数認められた。 線維芽細胞に照射した場合、630、660nmの波長は細胞増殖に働き、415nmの波長は増殖抑制に働くことが確かめられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
角質細胞・リンパ管内皮細胞、血管内皮細胞への照射が遅れている。いずれも線維芽細胞と比較して細胞増殖能の再現性が悪く、何度も追試を行っているため。
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Strategy for Future Research Activity |
線維芽細胞のほか、角質細胞、リンパ管内皮膚細胞、血管内皮細胞についても最適な波長とdoseを決定する。さらに上記の皮膚構成細胞の細胞遊走能に関してscraping法とBoyden Chamber法を用いて解析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度とほぼ同様
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