2012 Fiscal Year Annual Research Report
Periostinに着目した全身性強皮症の病態解析
Project/Area Number |
23791284
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
山口 由衣 横浜市立大学, 医学部, 助教 (60585264)
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Keywords | Periostin / 全身性強皮症 / 線維化 |
Research Abstract |
Periostinは、IL13やTGFβによって誘導される細胞外マトリックスの一つであり、創傷治癒や線維化において重要な役割を担うことが判明しつつある。本研究では全身性強皮症(SSc)におけるPeriostinの関与を検討した。SSc患者から採取・培養したプライマリーの皮膚・肺線維芽細胞を用いたウエスタンブロット法で、Periostinは健常人に比しSScで有意に高発現していた。皮膚における免疫組織学的検討では、健常人で真皮上層にPeriostinの発現を弱く認めるが、SSc患者、特にdiffuse SScでは、真皮全層にわたり強く濃染された。特にPeriostinはαSMA陽性の筋線維芽細胞と共染され、線維化誘導に強く関わる因子と考えられた。さらに、56人のSSc患者(diffuse SSc16名, limited SSc40名)と66人の健常人における血清Perisotin値を測定したところ、SSc患者で有意に高く、特に発症早期のdiffuse SScで高値で皮膚線維化スコアと強い正相関を示した。TGFβ存在下で線維芽細胞をrPeriostinで刺激すると、有意にCollagen産生が増強することから、PeriostinがTGFβのCollagen産生作用を増強する可能性が考えられた。一方、線維化をあまり認めないlimited SScにおいても血清Periostin値は健常人より有意に高値であった。SSc患者皮膚において、PeriostinはCD31陽性血管内皮細胞とも共染することから、PeriostinがSScの血管障害にも関与する可能性が示唆された。さらに、ROC解析より、血清Periostin値が、強皮症を診断する上で有用なバイオマーカーであることが本研究で示された。
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Research Products
(3 results)