2012 Fiscal Year Research-status Report
うつ症状を呈する精神疾患の脳機能基盤と経時的変化についての縦断的研究
Project/Area Number |
23791309
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
滝沢 龍 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30420243)
|
Keywords | 近赤外線スペクトロスコピー(NIRS) / 気分障害 / 統合失調症 / 不安障害 / 鑑別診断補助 / 早期診断・早期治療 / 前頭葉機能 / 生物学的指標 |
Research Abstract |
精神疾患のうちの統合失調症、気分障害、不安障害を中心に光トポグラフィー(NIRS)による前頭葉機能評価を行い、同時にリクルートしている健常者との比較や疾患間の比較、精神症状や日常機能評価との関連を検討した。方法として、横断Baseline計測だけでなく、1~1.5年後と3年後の縦断的フォローアップ計測を行った。 特に統合失調症初期の患者に対しては、採血や他の脳画像モダリティと同時計測することがあり、縦断的マルチモダリティ計測の計画全容やその意義について英文論文にまとめ発表した(Koike et al, 2013)。その血液データのエピジェネティクス解析から初発統合失調症に特徴的な異常を報告した(Nishioka et al, 2013)。 脳機能画像データからは、(1)健常者の不安状態や不安特性と前頭葉機能との関連、さらに課題成績との関連する脳部位との違いを報告(Takizawa et al, 2013)、(2)健常双生児における前頭葉機能において、遺伝的寄与の存在を明らかにした報告(Sakakibara et al, 2013)、(3)統合失調症の思考障害の症状が言語野のブローカ野付近の異常と関連していたことを報告(Marumo et al, 2013)、を英文雑誌に報告した。これらは、精神疾患の病状や治療効果を客観的に判断することで、より適切な治療を選び進めるための手助けとなることを目指すという、本研究の主旨に一致するものである。 その他、Baseline計測の結果や1.5年後の縦断フォローアップ計測の予備的検討結果に関連する学会発表や論文作成・投稿を行った。現在、数本の論文がin revisionの状態である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
光トポグラフィー(NIRS)検査は東京大学医学部附属病院精神神経科に設置されており、研究だけでなく、先進医療として施行する体制も整えているため、今後も年間で200~250名程度のBaseline測定のリクルートが期待できる。 そのため2年目の今年度で横断的Baseline計測サンプルは500名を超えた。昨年度同様、計画を上回るペースである。 1年~1.5年後の転帰調査も気分障害群で50名以上、統合失調症群で30名以上と、縦断的フォローアップ計測も計画通り進んでいる。3年後の転帰調査が開始され、すでに5名の計測が完了した。 さらに、英文雑誌や邦文雑誌への投稿も順調にアクセプトされている。現在数本の論文がin revisionの状態である。
|
Strategy for Future Research Activity |
継続して横断的Baseline測定と縦断的フォローアップ計測を継続する。 Baseline計測についての論文化に加えて、1.5年後と3年後のフォローアップ計測についての解析と論文化を重点的に行う。 最終年度のため、これまで通り学会発表とともに、英文雑誌や邦文雑誌へ報告を集中的に行う予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今後も縦断的な計測の継続に伴い、交通費などの諸費用を要する。解析結果を発表するため学会参加や雑誌投稿に際し、参加費用や英語論文校閲費などを要する。
|
Research Products
(23 results)
-
-
[Journal Article] A multimodal approach to investigate biomarkers for psychosis in a clinical setting: The Integrative Neuroimaging studies in Schizophrenia Targeting for Early Intervention and Prevention (IN-STEP) project.2013
Author(s)
Koike S, Takano Y, Iwashiro N, Satomura Y, Suga M, Nagai T, Natsubori T, Tada M, Nishimura Y, Yamasaki S, Takizawa R, Yahata N, Araki T, Yamasue H, Kasai K.
-
Journal Title
Schizophrenia Research
Volume: 143(1)
Pages: 116-124
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-