2012 Fiscal Year Research-status Report
電気けいれん療法における発作後せん妄状態の脳波・局所脳血流解析
Project/Area Number |
23791319
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
安田 和幸 山梨大学, 医学部附属病院, 助教 (90456442)
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Keywords | 精神神経医学 / 電気けいれん療法 / うつ病 / 脳波 |
Research Abstract |
研究申請時の計画に従い、平成24年度内に研究対象となる可能性があるDSM-IV-TRで大うつ病エピソードの診断基準を満たす入院患者6人から研究の同意を得て、ECTを行う際にBISモニタ専用電極を装着し、ECT開始時から終了後1時間まで可能な限りの時間内で脳波を測定した。ECTは日本精神神経学会におけるECT推奨事項に準じた適応基準と手技により、硫酸アトロピン0.2-0.5 mg、サイアミラールナトリウム2.0-3.5 mg/kg、サクシニルコリン0.5-1.0 mg/kgなどを使用し、標準的なパルス波ECT治療器であるThymatron SYSTEM IVで治療を行った。電極配置は両側性および片側性で、初回ECT時に滴定法により発作不発が現れた症例も解析対象とした。必要な患者に対しては1時間以上の脳波測定時間を設けた。合計脳波測定回数はのべ33回であった。ECT後に少なからずせん妄が見られ、薬剤による鎮静などの対処を要した患者は6人中2人だった。測定した脳波データのうち、解析に利用可能と考えられるものを患者ごとにまとめて整理した。データの整理、解析のために記憶媒体と管理用コンピュータソフトを購入した。 脳波データの解析を中間的に行ったところ、同一患者のECTクール内で1.ECT回数が進むほどBIS値の回復が遅くなること、2.発作時間が短いほどBIS値の回復が早いこと、3.刺激量を増やしたところ、BIS値の回復が遅くなることなどがBIS値の変動パターンとして予測された。 予定していたNIRS(近赤外線分光法)やSPECT(単一光子放射断層撮影)を用いた脳血流測定は関係部署との連携の中で環境が整わず、実施することができなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究環境の整備として、脳波測定のためのBISモニタ専用電極、ECTの機器などを購入し、使用できている一方、脳血流測定としてNIRS(近赤外線分光法)やSPECT(単一光子放射断層撮影)は実施する見通しがついていない。 またECTを行う患者が少なかったため、BIS値の解析用データは目標の患者数に達していない。 平成25年度に予定する本格的なデータ解析に向けて、予備的検討としてBIS値の変動パターンについて予測を立てることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
脳波解析について、平成23年度および24年度と同様に患者からのECT脳波BIS値データ収集を行う。 脳血流解析について、研究実施が可能になるように関係部署との相談を進め、血流データ収集を行う。 先進研究者と議論を行い、解析方法をさらに検討、考察し、学会、論文などの学術的発表を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
脳波解析に必要なBISモニタ専用電極を適宜購入する。 脳血流解析が可能ならばSPECT検査用薬剤などを購入する。 研究実施、データ解析、保存に必要な事務用品を適宜購入する。 解析方法の検討、考察のため、研究成果の発表のために学術集会へ参加し、論文を作成、投稿する。 脳波解析、脳血流解析、データ解析が遅れている分、平成24年度に使用しなかった488,411円分を平成25年度に使用する。
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