2011 Fiscal Year Research-status Report
認知行動療法によるうつ病の治癒過程における脳構造・機能変化の解明
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23791326
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山崎 信幸 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80511360)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 認知行動療法 / うつ病 |
Research Abstract |
平成23年度では、申請者は認知行動療法(CBT)のワークショップに参加する等で治療技法の習熟に努めるとともに、スーパービジョンの方法や構造・機能的MRI画像の取得・解析方法を確立させて、研究体制の整備を進めた。実際にこれまで8名のうつ病患者に対して、厚生労働省のプロトコールに基づき、合計16セッションのCBTを実施している。CBT前後において、恐怖を誘発する視覚情動刺激写真を課題とする機能MRI画像および構造MRI画像を撮影した。またCBTの前後において、ベックうつ病尺度(BDI-II)、ハミルトンうつ病尺度(HAM-D)、臨床評価尺度(CGI)、全般性機能評価(GAF)、非機能的思考尺度(DAS-24)、状態・特性不安検査(STAI)、WHO式主観的ウェルビーイング尺度(SUBI)、SF健康調査票(SF36)、Cloninger気質性格検査(TCI)、ウェクスラー成人知能検査(WAIS-III)の心理検査を実施した。本研究を通じて、治療開始から平均6年経過した難治性うつ病患者に対して申請者がCBTを実施したところ、うつ症状が約30%改善することが分かり、申請者が治療効果の高いCBTを実施していることが確認された。平成24年度も引き続き、症例数の確保に努めたい。最終的には、うつ病患者において、CBT実施後に変化した脳構造・機能を調べることで、CBTによるうつ病の治癒に関わる脳内の神経回路を明らかにすることを目的としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究初年度において、うつ病・気分変調症の患者に認知行動療法を実施して、約3割のうつ症状が改善する治療効果を確認することができた。また患者さんに心理検査・MRI検査を実施する研究体制を整え、実際に研究を開始し、軌道に乗せることができた。さらに治療・研究の質を確保するためのスーパービジョンの方法を確立することができた。このように研究に必要な研究環境を整え、研究体制を確立することができたため、初年度の研究はおおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
確立された研究体制をもとに、平成24年度も引き続き、症例数の確保に努めたい。平成23年度はCBTの全ケース、全セッションに対してスーパービジョンを実施したため、申請者がCBTを実施できる症例数に限りがあった。平成24年度はスーパービジョンの方法を簡略化することにより、症例数を増やしていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
被験者にMRI撮像、心理テストをしていただくため、被験者への謝金の額が多くなると予想される。心理テスト用紙および画像解析ソフトのほか、MRI画像の保存用に大容量の外付けハードディスクが必要である。また研究成果を積極的に学会や学術雑誌に発表していく予定である。
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