2013 Fiscal Year Annual Research Report
コネクティビティ解析による統合失調症の意思決定プロセスと症状の神経基盤の解明
Project/Area Number |
23791329
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮田 淳 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90549099)
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Keywords | 統合失調症 / connectivity / 意思決定 / 拡散テンソル画像 / Surface- based approach / Voxel-based morphometry / TBSS / トラクトグラフィ |
Research Abstract |
本研究では、統合失調症を神経ネットワークにおけるコネクティビティの障害としてとらえ、1)統合失調症の構造的・機能的コネクティビティ異常の解析、2)統合失調症の意思決定プロセスの異常の解明、3)コネクティビティ異常、意思決定プロセスの異常、症状・行動の3つの階層相互における相関の解明、の3つを目標とした。 まず拡散テンソル画像(DTI)の全脳的解析手法であるTBSSと、灰白質厚を全脳で測定するsurface-based approachを用いて 、統合失調症群において全脳のDTI指標の異常と、皮質全体の菲薄化との間に相関があることを示した(Sasamoto et al, 2014)。次に統合失調症における視床―皮質経路の異常について検討し、視床から意思決定に関わる眼窩前頭皮質に投射する線維におけるDTI指標の低下が、その投射先である眼窩前頭皮質の厚さの減少と正の相関を示していることを発見した。(Kubota et al, 2013)。これらの研究により、統合失調症の病態を、全脳レべルおよび局所のネットワークレべルにおける構造的コネクティビティ異常として明らかにすることが出来た。 次に、構造MRIに対するVoxel-based morphometryの手法を用いて、特定の脳領域の灰白質体積、症状の重症度、そして主観的 QOLとの間の階層的な相関関係を明らかにした(Ubukata et al, 2013)。 平成25年度は被験者のリクルートを継続して行い、データベースを拡充した。このデータベースからDTIと共感性尺度を用いて、統合失調症における社会的意思決定の異常が白質線維の異常と相関していることを明らかにした(Fujino et al, in press)。また統合失調症における認知的完結欲求と安静時脳活動との相関を明らかにした(磯部昌憲ら、第9回日本統合失調症学会)。
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Research Products
(2 results)