2011 Fiscal Year Research-status Report
統合失調症関連分子DBZの脳可塑性における役割の解明
Project/Area Number |
23791332
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高村 明孝 大阪大学, 連合小児発達学研究科, 助教 (80514398)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 統合失調症 / DBZ / 脳可塑性 |
Research Abstract |
近年、新たな統合失調症発症メカニズムとして、環境からの刺激によって神経回路網が柔軟に変化する「脳の可塑性」の異常が注目されつつある。本研究課題では、我々の研究グループが統合失調症関連分子として報告したDBZと脳可塑性との関わりを詳細に検討し、DBZ機能の解明、さらには統合失調症発症における脳可塑性異常の関与について解明することを目的とする。 これまでの研究においてDBZは神経細胞の形態変化に関わることを報告し、抑制性神経細胞の異常が統合失調症発症に関与すること、さらには抑制性神経細胞の発達が脳の可塑性に関与することが報告されている。そこで平成23年度はまず、抑制性神経細胞の発達におけるDBZの役割について検討した。その結果、DBZノックアウトマウスでは大脳皮質において抑制性神経伝達物質GABAの合成酵素のひとつであるGAD67のmRNA・タンパク発現量が減少していることを明らかにした。 以上の結果から、DBZの抑制性神経細胞の発達への関与、および脳の可塑性に影響する可能性が示唆された。DBZの異常は抑制性神経細胞の発達異常を介し、脳の可塑性に影響を与え、統合失調症の発症につながる可能性が考えられ、統合失調症発症メカニズムの解明に大きく寄与し、新規治療薬開発につながる可能性が考えられる。そこで現在、同じくDBZノックアウトマウスにおいて、ゴルジ染色法を用いた神経細胞の突起伸展など発達に伴う形態変化、脳可塑性関連シグナル分子の異常について検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前述のとおり、平成23年度はDBZノックアウトマウスにおいて抑制性神経伝達物質GABAの合成酵素GAD67の発現量異常を明らかにした。現在、神経細胞の発達に伴う形態変化の観察、および脳可塑性関連シグナル分子の発現・活性変化について検討しており、本研究課題の計画書通りに順調に進行していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は計画書の通り順調に進んでいる。引き続き当初の計画の通りの研究を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行した。そのため当初の見込み額と執行額は異なったが、研究計画に変更はない。今後は前年度の研究費も含め、当初の予定通りの計画を進めていく。
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