2011 Fiscal Year Research-status Report
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23791334
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岡久 祐子 岡山大学, 大学病院, 助教 (90583097)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 臨床精神分子遺伝学 / 統合失調症 |
Research Abstract |
「心のリスク・統合失調症外来」を受診した患者のうち、発症リスク状態の包括的評価尺度(CAARMS)において発症危険状態(At Risk Mental State ; ARMS)と診断された6名の患者を対象として、Structured Clinical Interview for DSM-IV (SCID)、陽性・陰性症状評価尺度(Positive and Negative Syndrome Scale ; PANSS)、病識評価尺度(Schedule for Assessment of Insight ; SAI)、全般的機能評価尺度(Grobal Assessment of Functioning ; GAF)、臨床的全般改善度(Clinical Global Impression ; CGI)、精神障害者社会生活評価尺度(Life Assessment Scale for the Mentally III ; LASMI)を用いて詳細に臨床評価を行った。さらに、認知機能の評価として、統合失調症認知機能簡易評価尺度(Brief Assessment Cognition in Schizophrenia : BACS)、Wisconsin Card Sortind Test (WSCT)及び前頭葉機能検査(Frontal Battery at bedside ; FAB)Japanese Adult Reading Test(JART)、Wecheler Adult Intelligence Scale-Reviced (WAIS)も施行したのに加え、MRI、SPECT、EEGを用いて脳画像・生理検査からも検討した。同時に、マイクロアレイ検査のためのRNA採取を行い、保存している。これら6名の患者は、外来にて経過観察を継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では、平成23年度中に10例の患者を対象として詳細な臨床評価およびマイクロアレイ検査のためのRNA採取を行う予定であったが、現在までに6例の患者にしか評価できていないため、平成23年度中にはマイクロアレイ検査が施行できなかった。しかし、近日中には目標の患者数が達成できる見込みであり、研究計画全体に大きく影響を与えるものではないと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き「心のリスク・統合失調症外来」においてARMS患者の診察を行い、CAARMSの評価基準を満たした患者4名について詳細な臨床評価、認知機能検査、脳画像・生理検査を施行する。10例に達した時点でマイクロアレイ検査を行うと同時に、初診から半年および一年が経過した時点で再度、詳細な臨床評価、認知機能検査、脳画像・生理検査により評価を行う。患者を統合失調症への移行群と非移行群に分類して、マイクロアレイ検査の結果との関連について検討し、さらに、臨床評価、認知機能検査、脳画像・生理検査とマイクロアレイ検査の相関についても検討を行い、発症危険状態から統合失調症へ移行する予測因子としてどの組み合わせが最も有用であるかについて検討する。これらから、前駆期から統合失調症への移行リスクを診断する方法を確立する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
この研究の費用の大半は「SZ(統合失調症)DNAマイクロアレイ」検査費用であり、この検査は申請者の所属する岡山大学が協力して完成した検査法であるが、特許をSRLが保有しており、委託検査という形をとらざるを得ない。試薬やマイクロアレイの価格が高額であることから、1検体40万円と非常に高額の費用がかかる上に、10例を一度に検査する必要があるため、当初計画した平成23年度中の検査の施行ができず、平成24年に施行することに計画を変更した。このため、研究費の大半も平成24年度に使用することになったが、研究計画全体としては大きな変更はない。
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Research Products
(3 results)