2011 Fiscal Year Research-status Report
末梢白血球遺伝子発現を利用したうつ病診断キットの作成
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23791337
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
伊賀 淳一 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (70363140)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | うつ病 / 白血球 / 遺伝子発現 / 診断 / PCR |
Research Abstract |
平成23年度はPCRアレイを作成するための予備的研究(PCRアレイの試作、housekeeping geneの選定)を行った。同時にうつ病患者の末梢白血球サンプルの収集を行った。サンプル収集は当大学病院の精神科を受診した患者の内、ICD-10の診断基準でうつ病エピソード(F32)もしくは反復性うつ病性障害(F33)の基準を満たす未治療患者を対象とした。初診時に診断確定後、書面を用いた同意を得た後に、研究に参加していただいた。治療前と8週間後に静脈採血し、症状評価と遺伝子発現量、SSRI血中濃度を測定した。客観的な症状評価としてハミルトンうつ病評価尺度を施行した。RNA qualityのチェックについて、末梢白血球よりtotalRNAを精製し、逆転写酵素を用いてcDNAを作成し保存した。Total RNAが抽出できた時点で、RNAのqualityをチェックした。学内の先端医科学研究所にはRNAのqualityをチェックするための装置であるagilent bioanalyzer 2100でチェックを行った。結果はRIN numberが7以上とqualityの高いRNAが抽出できていた。遺伝子発現量測定は、real-time PCRを用いた。まずはPCRアレイに搭載する候補遺伝子が実際に定量可能か試作品を作成し、健常対象のサンプルを用いて確認した。また白血球遺伝子発現解析に適したreference gene (housekeeping gene)の選定を行うため、housekeeping geneだけが搭載されたPCRアレイを発注し、健常対照のサンプルを用いて遺伝子発現の安定性を確認した。結果として平成23年度の予備研究で得られた結果から作成したPCRアレイが完成している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は予定していたPCRアレイを作成するための予備的研究(PCRアレイの試作、housekeeping geneの選定)が達成できた。同時にうつ病患者の末梢白血球サンプルの収集も行えた。結果として平成23年度の予備研究で得られた結果から作成したPCRアレイが完成している。平成24年度は、平成23年度の実験結果を基にこれまで収集しているサンプルの解析を行う準備ができている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度の予備研究で得られた結果から作成したPCRアレイを約90枚発注し、すでに保有している60サンプルの遺伝子発現量を定量する。そして複数の遺伝子発現を指標にしたうつ病の診断基準を作成し、感度と特異度を算出する。結果に再現性が得られるかどうか、平成23年度と平成24年度に新たに収集した30サンプルでも確認する。研究成果については年一回程度の国内及び国際学会で発表する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究の遂行に必要な設備は当科の研究室および当大学の先端医科学研究所にすでに設置されているため、必要な経費は主に消耗品である。血液サンプルの処理に必要な採血管および研究試薬と、カスタムPCRアレイを目標の90サンプル分の費用が必要となる。
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Research Products
(5 results)