2011 Fiscal Year Research-status Report
定型発達児ならびに発達障害児の不眠に対する認知行動療法的アプローチ法の開発
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23791338
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
堀内 史枝 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教 (50363247)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 不眠 / 日中の眠気 / 小児 / 入眠困難 / 中途覚醒 |
Research Abstract |
【目的】不眠を有する定形発達児を一般集団から抽出するため,不眠に関連するパラメーターについて検討を行った. 【対象】愛媛県東温市の全幼稚園・小中高校の保護者及び児童を対象に行った問診票調査項目のうち,日中の不眠や眠気については保護者回答より,睡眠の満足度については児童本人の回答より検討を行った. 【結果】1.入眠困難:20分以内に入眠できる児童は,年齢問わず80%前後であったが,40~60分以上入眠にかかる高校生は約5%,60分以上かかる高校生が約2%と,年齢とともに増加した.2.中途覚醒:睡眠中に一度も覚醒しない児童は年齢を問わず,約70%程度であった.夜間に中途覚醒が一度ある児童は17~20%前後であったが,高校生では2度中途覚醒する児童が約3.3%に上昇した.3.睡眠時間:睡眠平均時間は,幼稚園児は9時間57分,小学生は8時間28分,中学生は7時間5分,高校生は6時間24分と減少傾向にあった.4.日中の眠気:じっとすると寝てしまうことが週2回以上ある児童は9~15%と学齢による差は認められなかった. 週2日以上授業中に眠くなる児童は,幼稚園と小学生では1~6%であったが,高校生では35%と有意に高頻度であった.また,週2回以上授業中に居眠りしてしまう幼稚園,小学生はほぼ認められなかったが,高校生では14%と有意に高頻度であった.5.睡眠時間の満足度:睡眠の満足度について児童本人から回答を得た.十分・ほぼ十分と答えた小学生は約77%,中学生は約64%,高校生は約59%と満足度は著名に減少した. 【考察】入眠障害や中途覚醒などの,不眠症の症状を有する児童は,3~7%程度存在することが明らかになった.また,自分の睡眠に満足できない児童は,中学生では30%程度,高校生では40%程度であり,不眠以外の要素も含めた睡眠及び生活全般に対するアプローチが必要であることが判明した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在,上記結果を踏まえて,不眠症状を有する症例に対しアクチグラフを用いた客観的評価を行い,解析中である.
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Strategy for Future Research Activity |
【今後の推進計画】睡眠の状態だけでなく,日中の認知機能の評価を行っている.課題中の前頭葉機能の脳血流の変化を近赤外分光法を用いて検討・解析中である.その結果を踏まえ,認知行動療法を確立する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度,購入した頭部近赤外光計測装置を装着した際に,行う認知機能検査:CogHealthを購入予定である.本研究の研究成果発表を海外1回,国内2回を予定している.
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Research Products
(6 results)