2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23791342
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
平田 真一 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (10423683)
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Keywords | NIRS / 頭頂葉 / 視空間課題 |
Research Abstract |
視空間課題を遂行する際に賦活される脳部位を調べる事を目的とし、視空間課題をモニター上に掲示し、NIRS計測機器(日立ETG-7100)と同期して計測するシステムを作成した。パソコン上に再現された3次元の仮想空間上に文字(「上」「下」「左」「右」「前」「後」のうち1文字をランダムに掲示)を掲示し仮想的に上下左右前後にその文字を動かし、被験者はその文字が動いた方向を答えるという視空間課題を開発した。比較として画面上に静止する文字を読むという課題を設定した。文書にて同意した健常者44名(女性9名)から、頭頂葉、前頭葉におけるNIRSによる脳血流の変化を記録した。データ解析により、視空間課題で賦活するといわれている頭頂葉楔前部とその部位と神経結合が示唆されている右上内側前頭回にて、応答を示す割合が有意に高いことが示された。しかしながら、健常者データにおいても、血流変化の増加、減少パターンは個人差を多く認めた。その理由として、課題に対する被験者個々のストラテジーの違い、皮膚血流の影響、脳表面のみの脳血流を評価していることなどが考えられた。当初の予定では、認知症患者からの計測を行う予定であったが、まずは健常者のみの結果を公表する方針とし、健常者データで論文投稿することとした。平成25年度、英文校正を経て投稿するも、血流減少のパターンへの考察が不十分との指摘を受け、学会や論文、書籍での情報収集を加え、問題の考察を修正した上、再投稿し、平成26年5月現在審理中である。
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