2012 Fiscal Year Annual Research Report
経頭蓋磁気刺激法の気分障害に対する治療プロトコールの最適化と神経可塑性変化の検討
Project/Area Number |
23791345
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
中村 元昭 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員研究員 (50464532)
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Keywords | 反復性経頭蓋磁気刺激法 / 気分障害 / ランダム化比較対照試験 / ニューロナビゲーション / 前頭前野 / 薬物治療抵抗性 / 神経可塑性 / 心拍変動 |
Research Abstract |
目的:薬物治療抵抗性を示す大うつ病性障害に対する反復性経頭蓋磁気刺激法(rTMS)の安全性と有効性(抗うつ効果、前頭葉機能改善効果)をシャム対照群と比較しながら検証する(シャム対照二重盲検並行群間ランダム化比較試験、およびセミクロスオーバー非盲検試験)。rTMS前後の変化について、MRI、脳波、心拍変動(迷走神経機能)を用いて縦断的に検証する。複数種類のrTMS刺激プロトコール(高頻度および低頻度)についてその安全性、有効性、神経生物学的変化を比較検討する。 介入方法:ランダム化比較試験(RCT)期(最初の4-6週間)においては、1)左前頭前野背外側面に対する高頻度刺激、2)右前頭前野背外側面に対する低頻度刺激、3)シャム刺激の3治療群を設定した。RCT期に引き続く非盲検試験期においては、右前頭前野背外側面に対する低頻度刺激に加えて、ダブルコーンコイルを用いた前頭前野内側面への低頻度刺激のプロトコールも設定した。 結果:本報告書作成時点において、15名の被験者が当該試験にエントリーし、内14名が研究を終了している。総被験者数としては、60名程度を目標としているため本RCTは当該研究期間を超えて実施する必要性がある。RCTの性質上、研究終了前にデータを解析することが困難であるため神経生物学的検討はこれからの課題である。 実績:本研究課題の該当期間における実績としては、1)RCTとセミクロスオーバー非盲検試験のプロトコール確立と倫理審査委員会での承認、2)世界的にみても精度の高いシャム刺激(プラセボ条件)の実現、3)新規性の高い空冷式ダブルコーンコイルを用いた前頭前野正中部分の刺激プロトコールの確立などが挙げられる。
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