2012 Fiscal Year Research-status Report
高齢者手術における術後せん妄発生と炎症の関連について
Project/Area Number |
23791353
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
原 厚子 順天堂大学, 医学部, 助教 (00330861)
|
Keywords | せん妄 / 血清抗コリン活性 / 高齢者 / 食道癌手術 / 胃切除術 |
Research Abstract |
平成24年度は、食道癌手術および胃切除術におけるせん妄の発生率を調べ、それぞれ術前・術後の血清抗コリン活性を測定した。食道癌手術においては4例中2例(60%)、胃切除術においては8例中2例(25%)の割合で手術後にせん妄を認めた。術後の集中治療室滞在日数は食道癌手術においては7.5±0.4日、胃切除術においては2.1±0.1日であり、それぞれせん妄発生例と非発生例の間で有意差は認めていない。血清抗コリン活性については、全12例中8例(67%)において測定値の低下を認めたが、その値が定量限界未満のものもあると同時にせん妄発生症例との相関が現時点では見られないため、今後参加症例数を増やし、さらなる検討が必要である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでに、それぞれの術式で予定していた10例のうち、食道癌手術4例と胃切除術8例について検討した。血清コリン活性の測定は行ったが、血中サイトカインレベル(IL-1β、IL-6、IL-8、IL-10、TNF-α)、IGF-Iについては検体数が十分でないため、今後検体が集まり次第測定する。
|
Strategy for Future Research Activity |
症例数が食道癌手術と胃切除術においてそれぞれ10例に達した際に、せん妄の発生率および血清抗コリン活性、血清サイトカインレベルの関連性について再度検討する。また、鎮静効果のみならず抗せん妄効果も指摘されているデクスメデトミジン使用群と非使用群において、術後せん妄の出現率と血清抗コリン活性、血中サイトカインレベル(IL-1β、IL-6、IL-8、IL-10、TNF-α)、IGF-Iの関連を調べる。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・血清抗コリン活性の測定(三菱化学メディエンスに委託) 1検体あたり15000×60=900000円 ・IL-1β、IL-6、IL-8、IL-10、TNF-αの測定(Cytometric Beads Arrayキット) 80検体あたり195000円 ・研究成果発表;国内旅費100000円、外国旅費300000円、論文校閲費100000円、論文成果別刷製本代200000円、通信費100000円
|