2011 Fiscal Year Research-status Report
非定型精神病の全ゲノム関連解析法を用いた遺伝学的解明
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23791356
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
金沢 徹文 大阪医科大学, 医学部, 助教 (20534100)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 非定型精神病 / 遺伝子解析 / 病因探索 |
Research Abstract |
「非定型精神病診断基準」に則り非定型精神病と診断された60名の患者より口頭および書面による同意を受けて、末梢血よりDNA採血を行い保存した。これらを補助事業者である藤田保健衛生大学精神神経科に送付し、Genome-Wide Human SNP Array 6.0(アフィメトリックス社)を用いて各サンプルごとの解析を始めている。チップ洗浄は交付申請書通りに藤田保健衛生大学内に設置されたGeneChip Fluidics Stationを用い、チップスキャンにはGeneChip Scanner 3000 7Gを使用している。また解析用のソフトウェアにはGenotyping Console SoftwareおよびPLINKが既に備えられており、データの解析が始められようとしている。情報収集およびデータの解析には平成23年度に購入したMacBook Air(Apple社)が用いられる。対照患者データとして日本人統合失調症575名と日本人正常対照者564名のデータは既に収集済みで、60名の非定型精神病患者データが出次第、Polygenic ScoreやGene Ontologyを用いた相互比較を行い、病因の同定に当たる。また継続してサンプル収集を進めていくと同時に、得られたデータの専門誌への投稿や、学会での発表に当てていくことになっている。これらの発表の準備のためにワシントンで開かれた世界精神科遺伝会議(World Congress of Psychiatric Genetic)に共同研究者である川茂聖哉とともに出席し、新しい情報の収集に努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通りサンプル収集が行え、全ゲノム関連解析という新しい手法においても共同研究者間で意思疎通が十分に図れており、データ処理などの今後の仕事も円滑に行われると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き保有DNAサンプル数の増大を目指していくと同時に、Polygenic component 解析やGene Ontology解析を通じて統合失調症や躁うつ病との関連を検索し、当該疾患の病因探索を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
論文発表、学会発表のための必要経費に当てると同時に、必要物品の購入に当てる。次年度使用額196,403円についても、上記費用に充当するため繰越しをした。
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