2013 Fiscal Year Annual Research Report
ミクログリアの細胞機能調節によるアルツハイマー病治療の検討
Project/Area Number |
23791358
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
長野 貴之 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (10368516)
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Keywords | ミクログリア / アポトーシス / PGE2 / GSK-3 / EP2 / EP4 |
Research Abstract |
昨年度までに得られた結果のPGE2によるミクログリアのアポトーシスについてさらに詳細な検討を行った。 PGE2によるアポトーシスはGSK-3阻害薬であるSB216367により抑制されたことからGSK-3の関与の可能性が考えられた。そこでGSK-3の活性化をGSK-3のリン酸化レベルにて判断した。GSK-3のリン酸化レベルの測定はウエスタンブロットにより行った。リン酸化GSK-3αおよびリン酸化GSK-3βはPGE2の用量依存的に減少した。この減少はPGE2処置後1時間において確認され、この処置時間では細胞死は認められなかった。さらに、PGE2のリン酸化GSK-3レベル減少の効果がどの受容体を介しているのかを検討するために、同様の検討をPGE2の代わりにEP1からEP4までの選択的アゴニストを用いて行った。しかし、EP1からEP4までいずれの選択的アゴニストもリン酸化GSK-3αおよびリン酸化GSK-3βの発現量に影響を与えなかった。 以上の結果は、一昨年度に報告したPGE2のアポトーシスはEP1からEP4までのいずれのアンタゴニストによっても抑制されないことと矛盾はしない。したがって、PGE2によるアポトーシスはEP1からEP4までの受容体を介さず、GSK-3のリン酸化レベルを低下させることで誘導されるものである可能性が考えられる。ただし、GSK-3のリン酸化レベルに対する影響はEP2アゴニストのbutaprostとEP4アゴニストのPGE1 alcoholでは認められず、一方でbutaprostとPGE1 alcoholはアポトーシスは誘導した。このことはGSK-3の活性化とアポトーシスが単純に関連しないことを示唆しており、さらなる詳細な検討が必要であると考えられる。
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Research Products
(1 results)