2011 Fiscal Year Research-status Report
統合失調症における情動機能の多面的評価 アイマークレコーダとNIRSの同時計測
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23791360
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
石井 洋平 久留米大学, 付置研究所, 研究員 (60599984)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 統合失調症 / 精神生理学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、探索眼球運動および大脳皮質の局所脳血流変動を同時に観測することにより、健常者における情動に関連した認知機能を多角的に解明することである。そこで、平成23年度は、対照データとして、健常者20名を対象に、情動関連探索課題が眼球運動および脳血流変動に及ぼす影響について実験・解析を行なうことを目的とした。 実験は交付申請書に記載した「研究実施計画」に従い行われた。被験者は、久留米大学病院のスタッフよりボランティアを募った。なお、インフォームドコンセントとして、事前に全被験者に本研究の目的と方法、その安全性と危険性などについて十分に説明を行ない、文書で同意を得た上で行われた。眼球運動および脳血流変動を同時に計測するために、被験者はアイマーク・レコーダ(EMR)および近赤外線スペクトロスコピー(NIRS)を装着し課題を行った。NIRSによるoxy-Hb濃度測定については、44チャンネルNIRS装置(日立メディコ社ETG-4000)を用いて、血流の変化を最も敏感に反映するとされるoxy-Hb濃度変化量を前頭部及び両側側頭部にて測定した。NIRSによる脳血流変動および部位特異性は未だ不明な点が多く、さらに多くの非特異的要素(アーチファクト)が多く見られ、それを出来る限り除外するために、一連の課題を交互に5回施行し、加算平均したものを分析対象データとした。眼球運動測定については、アイマーク・レコーダ (nac社EMR-9)を使用した。記録はアイマーク・レコーダを通してSDカードに記録した。なお、先行研究に倣い、注視停留点は、視角1°以上で停留時間100 msec以上とした。また、瞬きの影響を考慮して、本研究では、500 cm/sec以上の眼球の動きおよびスクリーン外の注視点は削除した。総移動距離及び停留点総数を眼球運動の解析要素とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
久留米大学医学部精神神経科、および高次脳疾患研究所を拠点に、大学病院精神神経科外来・病棟の協力を得て、ボランティアとして実験に参加する被験者をスムーズに集めることが出来た。また、研究協力者として、大学病院精神神経科の医師、高次脳疾患研究所の研究員、同大学院生のチームにて実験もスムーズに行なえている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、久留米大学病院精神神経科を受診している入院患者および外来患者で、DSM-IVにより統合失調症と診断された20名を対象に、平成23年度に健常者を対象に行なった同様の実験を行なう。 健常者群と統合失調症患者群との探索眼球運動および脳血流変動の結果を詳細に比較・分析する。また、統合失調症の症状と各生理学的指標との関連についても、陽性陰性症状評価尺度(Positive and Negative Syndrome Scale: PANSS)を用いて検討していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品費として、NIRSデータ管理のためのMO、EMRデータ管理のためのSDカードおよびUSBメモリースティック等を購入予定である。また、研究成果の社会・国民への発信として、学会参加(日本神経心理学会、日本臨床神経生理学会、日本統合失調症学会等)の旅費、論文投稿および英語論文校閲の費用として研究費を使用していく予定である。
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Research Products
(2 results)