2013 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症におけるミトコンドリア機能異常ならびに病態関連遺伝子の探索
Project/Area Number |
23791367
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Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
市川 智恵 明治薬科大学, 薬学部, 助教 (60383288)
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Keywords | mtDNA / 統合失調症 |
Research Abstract |
統合失調症の発症要因として遺伝要因が強く関連することが知られており、その一つとしてミトコンドリアDNA(mtDNA)の変異や多型(variant)の関与が示唆されている。本研究では、患者末梢血からmtDNA の変異・多型の探索を行い、統合失調症に特徴的なミトコンドリアDNAのvariantの探索を行うとともに、検出されたvariantについて異なる母集団を用いた再現性の検討を行った。またmtDNAのコピー数の解析も行い、稀なvariantの有無と合わせて総合的に評価した。 患者特異的に同定された複数のvariantについて再現性を検討した結果、より統合失調症の病態に関与したと考えられるvariantを抽出することができた。一方で、mtDNAコピー数を調べた結果、特に入院患者群でコピー数が多い結果が得られた。さらにmtDNAコピー数が多い患者群について稀なvariantの探索を行った結果、数は少ないが、コピー数が多い患者では稀なバリアントが複数見出だされた。 これまで統合失調症におけるmtDNAのvariantの再現性はほとんど検討されていなかったが、本研究の結果、いくつかのvariantは患者に集積している可能性が示唆された。患者から同定されたvariantには、呼吸鎖複合体機能にダメージを与え得るvariantが含まれていたことや、稀なvariantを有する患者でmtDNAのコピー数が多い一群が存在することを示す結果は、一部の統合失調症ではミトコンドリア機能低下が生じているという仮説を支持するものであり、本症の原因解明へ発展できる結果と考えられた。
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Research Products
(1 results)