2011 Fiscal Year Annual Research Report
高比放射能を実現する、汎用性の高い新規求電子的〔18F〕フッ素導入法の開発
Project/Area Number |
23791378
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
相田 一樹 北海道大学, アイソトープ総合センター, 助教 (80456839)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2012-03-31
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Keywords | PET / 分子イメージング / フッ素標識 / 求電子的フッ素化反応 / 18F標識 |
Research Abstract |
求電子的フッ素化反応が必要な[18F]フッ素標識反応では、利用価値が高く、また汎用性に優れる求電子的[18F]フッ素導入試薬がなかったため、[18F]フッ素ガスを用いることが主流であり、比放射能が非常に低かった。本研究では上記の背景を受けて、合成化学的見地から求電子的[18F]フッ素化試薬を探索し、その合成法を確立することで、求電子的[18F]フッ素化試薬を安全かつ安定に供給することを目的として、研究を展開することにした。 以上の目的を達成するために、平成23年度では非放射性フッ素を用いて、放射性フッ素で利用可能な求電子的フッ素化試薬の基礎的検討を行うことにした。簡便に入手可能な硫酸とサイクロトロンで容易に生成可能な[18F]KFの非放射性体に相当するフッ化カリウムを用いて、求電子的フッ素化試薬(KFSO3)を合成し、求電子的置換反応に対して反応性の高いトリブチルスズベンゼンと反応させたところ、収率30%でフッ化ベンゼンを得ることができた。 引き続き、別の求電子的フッ素化試薬の調製、標識対象の電子的特性の変更を行い、調製した求電子的フッ素化試薬の汎用性について検討を行う予定である。汎用性に優れていると判断できる求電子的フッ素化試薬については、放射性フッ素を用いた標識についても検討を行う。 本研究の遂行により、これまで低比放射能が問題となっていた多くの放射性薬剤に対して、高比放射能での合成が可能となり、5-FUを始めとして、高比放射能での18F標識合成法の確立が望まれていた多くの放射性薬剤に対しての、ブレイクスルーとなりうる。
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