2011 Fiscal Year Research-status Report
コイル補助下NBCA塞栓術の確立~血管塞栓術の標準化を目指して~
Project/Area Number |
23791381
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
阿保 大介 北海道大学, 大学病院, 助教 (30399844)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 血管塞栓術 / 標準化 |
Research Abstract |
血管塞栓術は、近年その治療の低侵襲性から、動脈瘤、静脈瘤、血管奇形(特に動静脈奇形)、動脈出血、悪性腫瘍、術後出血等の様々な良性悪性疾患に対象が広がり有効性が認知されるようになった。血管塞栓術は、カテーテルとそれからデリバリーされる塞栓物質の両者により成立する。特に遠位部正常血管への塞栓物質流出を回避しながらカテーテル周囲・近傍を塞栓することを必要とするような瘤や血管奇形、出血等の治療において血管塞栓用コイルが最も頻用されている。コイルが血管内腔に充填されることに加えて、ファイバー付きコイルの場合は、ファイバーによる血栓化が加味され、コイル留置部に血栓化を生じることが塞栓の機序である。しかしコイル単独での塞栓術ではコイル充填が十分できず塞栓距離の延長を生じるばかりか、コイルの手前血管への不要な逸脱即ち異所性塞栓を生じることはしばしば経験される。今年度は、豚を用いたin-vivo実験前に、塞栓用コイルの特性把握、指摘サイズ選択に関する検討のため、血管を想定したシリコンチューブを用いたvitroでのコイル塞栓実験を行い、各種離脱式コイルのサイズ別、種別のコイル塞栓長、コイル安定性についての検討を行った。また当院での膵癌術前コイル塞栓術症例に対するコイル留置時の安定性、塞栓手技の成功の有無、コイル径と標的血管径との比較といった治療成績を解析することにより、生体内での至適なコイルサイズについての推定を行った
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
豚動脈を用いてin vivoでのコイル補助下NBCA塞栓術の方法論の確立(コイルと組み合わせるNBCA-リピオドール混和至適比率、コイルと注入カテーテル先端距離)を目指しており、そのためには実験施設の確保が必要である。当初は平成23度3月に当該実験を行う予定であったが、諸事情により平成24年度5月に変更となった。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 豚動脈を用いてin vivoでのコイル補助下NBCA塞栓術の方法論の確立(コイルと組み合わせるNBCA-リピオドール混和至適比率、コイルと注入カテーテル先端距離)を目指す。2. 豚動脈を用いてin vivoでのコイル補助下NBCA塞栓術とNBCA塞栓術の比較を行い、NBCA注入部からキャスト形成による塞栓距離、コイルによるキャスト形成促進の有無、遠位側への異所性塞栓の有無、対応可能な血管径を明らかにする。3.左右対称に存在する1対の動脈枝(内腸骨動脈、腎動脈、左右肝動脈、頸動脈等)に対してコイル補助下NBCA塞栓術とNBCA塞栓術両者を行う。片側に対してはNBCA単独での塞栓術、対側に対してはコイル補助下NBCA塞栓術を行う。4.NBCA注入直前の血管造影にてNBCAの血流停止予測点を判定。注入も血管造影下に行い、予測点と実際のキャスト形成遠位端の到達点を血管造影上で観察し、両法に違いがあるかどうかを検討する。これによりNBCA注入部からキャスト形成による閉塞距離がコイルにより短縮しているかどうかを確認する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定していた実験が実験が延期になったため、消耗品を含む実験費用が少なく済み、未使用額が生じた。平成24年度において実施する豚血管を用いた実験費用(実験施設使用料、器具類一式、旅費等)やその成果発表に使用する見込み
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