2012 Fiscal Year Annual Research Report
コイル補助下NBCA塞栓術の確立~血管塞栓術の標準化を目指して~
Project/Area Number |
23791381
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
阿保 大介 北海道大学, 大学病院, 助教 (30399844)
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Keywords | 血管塞栓術 / コイル / N-Butylcyanoacrylate |
Research Abstract |
本研究は短区間での血管塞栓に用いるためのコイル併用n-butyl-2-cianoacrylate (NBCA)塞栓術の方法論の確立と実現性の確認を目的として行った。 雌豚3頭の動脈(総頚動脈、肝動脈、腎動脈、上腸間膜動脈、腸骨動脈、大腿動脈等)を対象とし、標的動脈内に枠組みコイルを単独で留置する群と枠組みコイル内に小径コイルを充填する群に分け、コイル近位から50%NBCA-lipiodol混和液(50%NBCA)を注入して実験を行った。 50%NBCA注入直後に標的血管は完全閉塞が確認されたが、50%NBCA注入直前のコイル部血流遅延の有無、コイル遠位端を超えたキャスト形成の有無、コイル遠位へのキャスト延長距離、キャスト断片化の有無を評価すると、枠組みコイル単独群で、コイル遠位へのキャスト延長距離の距離が長く、キャスト断片化が有意に多いことが判明した。また50%NBCA注入直前のコイル部血流遅延の有無で2群に分けて解析すると、血流遅延を生じている群で、コイル遠位端を超えたキャスト形成、キャスト断片化共に有意に少ないことが判明した。 これらの検討の結果、コイル併用NBCA塞栓術では、コイル留置による血流遅延状態でNBCA-lipiodol混和液を注入することで、キャストの断片化なく短区間での塞栓が可能となること、また、標的動脈内のコイルは、枠組みコイル内部に小径コイルを充填することが推奨されるとの結論に至った。
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