2012 Fiscal Year Research-status Report
CT肺がん検診における乳腺の被曝低減を目的とした体表遮蔽撮影法の確立
Project/Area Number |
23791384
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
小山内 暢 弘前大学, 保健学研究科, 助手 (40514138)
|
Keywords | CT検査 / 被ばく低減 / 遮蔽撮影 / CT肺がん検診 / 医療被ばく |
Research Abstract |
これまでに、乳房ファントムの作製・改良および遮蔽材の選定を主に行った。 乳房を模擬する材料として選定したパラフィンを溶解し乳房様形状に成形し、被ばく線量測定用の線量計素子が挿入可能である乳房ファントムを作製した。ファントムは大きさや形状が異なるものを複数種類作製した。密度が乳房に近いパラフィンを用いて乳房ファントムの作製が可能であることを確認している。さらに、パラフィンはCT値が乳房に近いこともCT撮影によって確認した。また、我々がこれまでに検討を行った種々の遮蔽材よりもさらに効率的に被ばく低減が可能である材質に関する報告もあったため,これらの報告にあった亜鉛板、鉄版等を追加購入している。24年度は、医療被ばく測定セミナーへの参加やCTにおける患者線量の管理に関する専門書の購入を通して、被曝線量の評価方法についての調査も行った。また、図書購入や学会参加等によって医療被曝における放射線防護に関する情報収集も行った。これらによって得られた知見を今後のデータ整理の際に活用したい。 当初の計画では、24年度に乳房ファントム内に熱蛍光線量計素子を挿入して線量測定を行う予定であったが、本学に設置されている線量計素子読み取り装置が故障し新機種に更新されることとなったため、線量計素子の購入を控えた。読み取り装置は24年度末(3月)に納入されたため、25年度は線量計素子を早急に選定・購入し、購入した線量計素子が適合する乳房ファントムを完成させ、ファントム上に選定した金属板等の各種遮蔽材を配置してCT撮影を行い、被ばく線量および画質を評価する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本学に設置されている線量計素子読み取り装置が24年度8月に故障し新機種に更新されることとなったため、線量計素子の購入を控え、データ収集に遅れが生じた。読み取り装置は24年度末(3月)に納入されたため、25年度は適合する線量計素子を選定・購入し線量測定を行い、円滑に研究を遂行したい。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、早急に最適な線量計素子を購入し乳房ファントムを完成させる。その後、乳房ファントム内に素子を挿入しファントム上に各種遮蔽材を配置してCT撮影を行い、被ばく線量および画質を評価する予定である。また、研究成果をまとめ報告する予定である。 ファントムの作製にあたっては、選定した線量計素子を簡便に挿入・抜去ができるようにファントムの改良を行う必要もある。さらに、CT撮影は、既存の人体ファントムに乳房ファントムを組み合わせたものを乳房被曝線量測定用胸部ファントムとして実施する予定であるが、アーチファクト抑制の観点から、乳房ファントムと人体ファントムの接着方法の検討も今後の課題である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
線量計素子読み取り装置が新機種へ更新されることとなり、至適な線量計素子の選定を行えなかったため、線量計素子購入予定として計上していた予算を繰り越すこととなった。平成25年度は、まず、平成24年度に購入予定であった線量計素子を繰り越した予算で購入する。また、線量測定開始後、必要に応じて線量計素子を25年度経費に計上した予算で追加購入する。その他、消耗品、旅費に関しては当初の計画通りに予算を執行する。
|