2011 Fiscal Year Research-status Report
3テスラMRIを用いた、日本人のハイリスク頚動脈プラーク性状の解明
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23791385
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大田 英揮 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40586905)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 国際情報交流 / Plaque imaging / 核磁気共鳴画像 / 動脈硬化 / 放射線診断 / 脳卒中 |
Research Abstract |
本研究の主目的は、日本人の頚部頚動脈動脈硬化性病変の特徴を、3テスラ MRIを用いて明らかにすることである。具体的には、(1)日本人と米国人(Caucasian)の頚動脈プラークを比較し、プラークの特徴に人種間の差があるか検討すること、(2)日本人の症候性プラークと無症候性プラークを比較し症候性プラークの特徴を明らかにすること、(3)日本人の頚動脈狭窄病変症例のプラークを撮像後、追跡調査を行い、将来イベントを生じる頚動脈プラークの特徴を明らかにすることにより、主目的を検討していく。今年度は研究期間(4年間)の初年度であった。東日本大震災のため、研究開始が遅れてしまった。まず施設内の倫理委員会にて臨床研究の承認を取得したあと、広南病院の研究協力者から、対象患者(50%以上の頚動脈狭窄を有する無症候性、症候性患者)の紹介を受け、東北大学病院にて MRI を撮像した。得られた画像は、専用の解析ソフトを用いて、血管壁、血管内腔の定量的評価(面積、体積)、プラーク要素の定性的評価(存在診断)、定量的評価(面積、体積の絶対量、血管全体に対する相対量)を行った。具体的に評価したプラーク要素の種類は、lipid-rich/necrotic core、プラーク内出血、石灰化、loose matrix、線維成分であり、lipid-rich/necrotic coreが存在する場合、lipid-rich/necrotic coreと血管内腔に介在する線維性被膜の定性的評価(厚い、菲薄化した、破綻した被膜)を行った。研究開始が遅れてしまっているため、統計解析ができるまでの十分なサンプル数が得られていない。米国内の研究協力者の施設においても、同様の対象患者に対してMRIを撮像し、データを蓄積中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
東日本大震災のため、研究開始が遅れてしまったことが、達成度の遅れの原因の一つと考えている。本研究を遂行するには、円滑に症例を蓄積することが重要である。東北大学病院と研究協力者のいる広南病院では、日常臨床においては地域連携センターを通じて、円滑な診療ができる体制が構築されている。しかし、臨床研究についての患者への説明を行い同意を取得するためには、日常診療外の手続きが必要となるため、限られた診療時間内で患者紹介を十分には行いにくいことが判明した。このことも影響し、十分な症例数を蓄積できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの達成度に記載したように、症例の蓄積の遅れが、現在の研究計画に重大な影響を与えている。広南病院から東北大学への患者紹介を、より円滑に行えるようにするため、新たにクリニカルリサーチコーディネーターの業務委託をする予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究成果の発表、海外の研究協力者との打ち合わせのための旅費。クリニカルリサーチコーディネーターへの業務委託費。被験者に対する謝金。研究の遅れにより、今年度購入を見送った消耗品(コンピューター、コンピューター関連備品、記録メディア、印刷雑費)は、今年度からの繰越金を使用して購入する予定である。
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