2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23791391
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
磯辺 智範 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (70383643)
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Keywords | 骨格筋 / 核磁気共鳴画像(MRI) / 拡散テンソル画像(DTI) / 磁気共鳴スペクトロスコピー(MRS) / 運動効果 |
Research Abstract |
近年、糖尿病を中心とした生活習慣病が増加傾向にある中、食事療法に加えて運動療法が注目されている。運動療法をより効果的に実施するためには、個人の体力、運動能力、さらには罹患疾患によって運動内容を適切に選択する必要があり、運動効果を客観的に評価する手法を確立しなければならない。本申請者はMRIを用いて骨格筋における運動効果を非侵襲的に評価することによって、より効果的な運動内容を選択し得ると考えている。本研究の目的は、骨格筋の磁気共鳴スペクトロスコピー(magnetic resonance spectroscopy:MRS)と拡散テンソル画像(diffusion tensor imaging: DTI)により骨格筋に対する運動効果を組織レベルで多角的に評価する手法を確立し、適切な運動内容の選択や運動療法処方に応用することである。 平成24年度は、前年度に最適化した撮像パラメータを使用し、実際に運動効果判定に応用する研究を実施した。職種や体格などを考慮してグループ分けした健常ボランティアに対して、下肢の骨格筋トレーニングを一定期間継続して行わせ、MRS およびDTI を用いて追跡調査した。MRS では細胞内脂肪(IMCL)および細胞外脂肪(EMCL)、DTIでは拡散固有値を計測した。運動内容とMRS およびDTI から得られたIMCL・EMCL・拡散固有値を比較し、運動-効果-測定値の関連性を明らかにした。本研究の最終目標は、実際の患者に対する運動療法の評価へ応用することである。これを達成するためには、健常ボランティアでのデータ蓄積とその解析評価が極めて重要である。よって、平成24年度の研究において、健常ボランティアを対象とした運動効果判定の評価に成功した意義は大きい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度にMRSおよびDTI、それぞれの撮像パラメータを最適化した。今年度は、この手法を最大限に活用し、健常ボランティアの骨格筋を対象とした、トレーニング効果判定への応用を試み、運動-効果-測定値の関連性を明らかにできた。研究成果の一部は、学会発表という形で公表した。 以上の理由により、本研究は申請通りに順調に進捗していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25 年度は、前年度までに得られた健常ボランティアのデータに基づいて内科医と連携し、運動療法を要する肥満者および慢性肝疾患患者を対象とし、その治療期間にMRS およびDTI を施行する。運動内容とMRS およびDTI から得られたIMCL・EMCL・拡散固有値を比較し、運動-効果-測定値の相関に関して検討する。なお、6~10 ヶ月間の追跡調査を行う予定である。 本研究は、画像診断技術・臨床内科・運動医学(リハビリ、スポーツ)の橋渡し的な研究である。各専門家の協力のもと、研究全般において本申請者が責任を持って進める。患者の選定および運動の内容に関しては、スポーツ医学と内科を専門とする医師との連携のもとに決定する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(5 results)