2012 Fiscal Year Annual Research Report
革新的癌診断治療システムの開発研究-骨腫瘍診断治療からDDSへ
Project/Area Number |
23791401
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小川 数馬 金沢大学, 薬学系, 准教授 (30347471)
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Keywords | PET / ナノパーティクル / セラノスティクス |
Research Abstract |
治療効果を予めPETによって予測(診断)し、がん治療を行う、セラノスティクス(Theranostics = Therapy + Diagnostics) DDS放射性薬剤の開発を目的に、がんへの輸送担体としてEPR (enhanced permeability and retention)効果を意図したハイドロキシアパタイトナノ粒子(HANP)を輸送担体として選択し、我々が以前に開発した骨親和性放射性トレーサー67Ga-DOTA-Bn-SCN-HBP (Nucl Med Biol 2011)を結合させた化合物を作製し、評価した。まず、DDS薬剤の粒子径がEPR効果の条件を満たす数10 - 100 nm の粒子を作製できるかを確認するためにnano-SHAp (40 nm;SofSera)と放射性ガリウムで標識していないDOTA-Bn-SCN-HBPを混和し、遠心後、上清に含まれている化合物の粒子径を動的光散乱法(DLS)により測定した。その結果、粒子径平均62.6 nmとEPR効果を意図した粒子としては適したサイズとなった。同様の方法で、放射性ガリウムで標識した67Ga-DOTA-Bn-SCN-HBPを用いて、放射性ガリウム標識HANPを作製し、セルロースアセテート膜電気泳動と限外濾過を用いてHANPに結合している放射性ガリウムの割合を定量した。その結果、放射化学的収率は約80%であった。この放射標識体をcolon26がん細胞担がんマウスに投与し、体内放射能分布を評価した結果、血液からは時間経過と共に放射能消失を示し、腫瘍への放射能集積は滞留した。しかしながら、骨への放射能集積も高く、これは化合物の純度が高くないこと、もしくは、生体内で骨親和性放射性化合物がHANPから解離したことが考えられる。現在、純度の向上をさせる精製作業を検討中である。
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