2012 Fiscal Year Annual Research Report
実際の撮像環境条件をも含んだMRIパルスシーケンスシミュレーションシステムの構築
Project/Area Number |
23791414
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤本 晃司 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10580110)
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Keywords | MRI / パルスシーケンス / シミュレータ / 磁気共鳴画像 / 画像再構成 / 圧縮センシング |
Research Abstract |
昨年度の研究内容を発展させ、 1.大容量メモリを搭載したワークステーションを導入し、約10000個のスピンの挙動をシミュレート可能になった。ただし、面内のマトリクス数を128*128に抑えたとしてもスライス方向には数ピクセル分しかシミュレートができないため、スピン(微視的磁化)ではなく巨視的磁化のシミュレーションを行って臨床現場での有用性を検証し、学会で報告した。 2.CEST(chemical exchange saturation transfer)効果を得るために用いられるMTパルスに関して、中心周波数からのオフセットが画像の信号強度の及ぼす影響(Z-spectrum)について検討を行った。その結果、従来のMT画像で使用されているsinc波形では期待する効果が得られないことを見いだし、パルスシーケンスの改良に反映させた(現在、臨床例を対象にデータ取得中)。 3.シミュレーションソフトウェアを国内学会(2012年4月、日本医学放射線学会)および国際学会(2012年11月、北米放射線学会)で発表した。また、巨視的磁化のシミュレーション結果を骨盤部の非造影血管撮像法に適用し、こちらも同学会で発表した。 4.生データからの画像再構成プログラムを開発した。実際のMRI撮像装置から得られた3次元脳血管MR angiographyのデータをもとに、間引きを行い、圧縮センシングの手法を用いて約20%のデータから、鮮明な脳血管画像を得ることに成功し、国内の学会で発表を行った(2012年12月、圧縮センシングとその周辺(4))。これはMRI装置メーカーでも未だ実装がすすんでいない最先端の再構成手法であり、今後も大きな研究の発展が期待される。
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