2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23791416
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
金尾 昌太郎 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80542216)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 国際情報交流 |
Research Abstract |
1)RESOLVE DWIとSingle Shot EPI DWIの比較。 乳房MRIの連続40症例について二種類の拡散強調画像を撮影。具体的にはRESOLVEとSingle Shot EPIを撮像し、T2強調画像やダイナミックMRIといったスタンダードな乳房MRIシーケンスと画質を比較検討した。結果、従来法ではゆがみにより乳房の短縮、乳頭の形状の描出不良が見られていたのがRESOLVEでは大幅な改善が見られた。また、画質劣化の原因となる脂肪抑制のムラについても改善が見られた。ただ、乳房外に従来法では見られないアーチファクトの出現が見られた。本検討内容については、国際磁気共鳴医学会(ISMRM2011)に発表した。2)撮像パラメータの最適化。 共同研究者の梶迫技師によるファントム実験の検討などにより、画質の改善、撮像時間の短縮においてRESOLVEのshot数は7程度が最適なパラメーターであることが分かった。その後高分解能RESOLVEの撮像パラメータを決定した。3)高分解能RESOLVEの撮像開始。 現在50例程度撮影した。うち、腫瘤性病変のない26例につき、従来法と診断能について比較検討を行った。従来法が感度43%、特異度79%に対し、高分解能RESOLVEでは感度86%特異度74%と診断能が向上していた。ゆがみの改善、高分解能撮像は診断能の改善に結びつくことが示唆された。この成果については日本磁気共鳴医学会に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2011年度には、RESOLVEがゆがみに強く、従来法と比べて画質が改善することを国際磁気共鳴医学会で報告できた。その後、撮像パラメータの最適化を行い、シーケンスを決定。さらにRESOLVEを用いた高分解能拡散強調画像が、DCISといった微小病変の診断能が向上する可能性があることについて日本磁気共鳴医学会に成果を報告することができた。これらの内容は従来報告されておらず、拡散強調画像の高画質化、診断能の向上に寄与するものと考えられる。ただ、論文としての成果報告が終わっていないため、現在鋭意作成中である
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Strategy for Future Research Activity |
RESOLVEを用いた高分解能拡散強調画像が診断能の向上に寄与すると考えられるため、さらに症例を積み重ねる。拡散強調画像の定量値である見かけの拡散係数(ADC)が従来法とどのように異なるかについても検討の課題である。海外の報告では大きな変化がないというものが多いが、我々の経験では、RESOLVEのADCは従来法より少し高く、特に乳腺で顕著である。こういった現象が何によって起こっているのかについて、技師や機器メーカーと共同でファントム実験などと併せ検討していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
メルボルンで開催される国際磁気共鳴学会にて研究成果を発表するため、旅費を使用する。その後、英文誌に成果を投稿するため、英文校正などに用いる。また、FDG-PETなど核医学的手法も拡散強調画像と競合するモダリティと考えられるため、アメリカで開催される核医学会への旅費にも使用する予定。上記ADCの変化についてはファントム実験を行うため、物品の購入に充てる。MRIのメンテナンス費用などにも使用する予定。
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